歯科衛生士 1月
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今のままでは、ますます進む高齢化に対応できない地域から必要とされる歯科衛生士へ渡部 守[渡部歯科医院/歯科医師]現状を認識しよう第 部●移りゆく社会をデータで読み解く 社会は日々変化していきます。そんなあたりまえのことに、私たちは意外と気がつきません。 たとえば、今年31歳になる人を考えてみましょう。この人が生まれた1980年、校内暴力が社会問題となり、歌手の山口百恵が引退しました。SONYの「ウォークマン®」が爆発的なヒットとなったのもこのころ。ケータイもブログもツイッターもありませんでした。 変わったのは流行だけではありません。図1に示すのは、日本の30年前(1980年)の人口構成、いわゆる人口ピラミッドです。当時30代前半の「団塊の世代」と呼ばれる世代がもっとも数が多く、5歳前後の「団塊ジュニア」世代も目立ちます。15歳未満の子どもの割合は23.5%です。高齢者の数はまだ少なく、高齢化率(65歳以上の割合)は9.1%に過ぎません。 次に現在(2010年)の人口ピラミッド(図2)を見てみましょう。「団塊の世代」は60歳代となりましたが、人口では最多です。ついで30代後半の「団塊ジュニア」が多くなっています。少子化により、15歳未満の子どもの割合は13.0%に減少しました。高齢化率は23.1%と推測され、これは「超高齢社会」に分類されます。この30年間で高齢者の数は2倍以上になり、子どもの数は半分近くに減りました。日本はまったく違う社会に変貌したのです1)。 それでは、今後日本はどんな社会になっていくのでしょうか?人口(万人)(歳)10520304050607585152535455595100657080901051201008060402020406080100120男性女性0人口(万人)(歳)100520304050607585152535455595100657080901051201008060402020406080100120男性女性人口(万人)(歳)10520304050607585152535455595100657080901051201008060402020406080100120男性女性02010年1980年2040年図1 1980年(30年前)の日本の人口構成を示す人口ピラミッド(参考文献1より引用)。図2 2010年(現在)の日本の人口構成を示す人口ピラミッド(参考文献1より引用)。図3 2040年(30年後)の日本の人口構成を示す人口ピラミッド(参考文献1より引用)。24 歯科衛生士 Vol. 35 No. 1/2011

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