歯科衛生士 5月
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その食べ方がを招く―今、子どもと高齢者が危ない!―窒息による事故死が増加しています。発達段階に適していない食べ方や、加齢による機能低下などが窒息と関係し、歯科が積極的に取り組む新たな仕事の1つです。窒息事故への予防法を示します。1973年大阪歯科大学卒業、歯学博士。専門領域は口腔の機能発達とリハビリテーション。授乳・離乳の支援ガイドの策定に関する研究会委員、食品による窒息事故に関するワーキンググループ専門参考人などを歴任。現在、内閣府食育推進会議専門委員。向井美惠昭和大学名誉教授その食べ方が窒息死危険!窒息事故は増えています!反応がなくなった場合はすぐにやめ、人工呼吸と心臓マッサージを開始します複数人がいる場合は……●1人は異物除去●1人は119番へ通報❶のどにつまった人の背後から腹部に手を回す❷片方の手で握りこぶしを作って、もう一方の手をその握りこぶしに重ねる❸胸骨とへその中間に手を当てて、持ち上げるように強く圧迫して、つまったものを吐き出させる❹のどにつまったものが出るまで、強く引き締めて圧迫を繰り返して吐き出させる❶乳児をうつぶせにする(乳児の腹部を救助者の膝の上に乗せてもよい)❷口を開けさせて下のあごをしっかりと持ち、空気の通り道を確保する❸けんこう骨の間を、怪我させない程度に5回ほど強く叩く❹口の中を調べ、つまっているものが見えたら取り除く窒息による事故死は、子ども、高齢者に限らず増えています。ここで示す食べ方や食べ物に気をつけましょう。口を開けたまま奥へ食べ物を入れこもうとする食べている時に急に声をかける口に食べ物が入ったままおしゃべりし、直後に息継ぎをする見守りなしで1人で食べる早食い急に上を向く。遊びながら食べたり、仰向けの状態で食べるもち、ご飯大きな形の食べ物(から揚げなど)ボーロ・ソフトせんべいこんにゃく入りゼリー水分の少ない食べ物こんな食べ方・食べ物は窒息の原因です危険!危険!奥歯がない状態も窒息の原因です!専門家に相談して、入れ歯を作りましょう。これも危険!窒息しやすい食品窒息しやすい食べ方早期に異物の除去を!異物の除去の仕方大人・子どもがつまらせた場合乳児がつまらせた場合これは危険!水分での流し込みは逆効果な場合も!パンがつまった場合に水分を与えることは、圧縮されたパン表面のみを軟らかくさせて、粘り(付着性)を発現させてしまいます。その結果、取り出しにくくなる可能性があります。もしも食べ物をつまらせてしまったら……歯科衛生士2013年5月号とじ込み付録 ©クインテッセンス出版㈱食べ物をつまらせたのどのあたりを両手でかきむしるようなしぐさは、つまらせた時のサイン【立位】【座位】のどに送りこみやすい食品(ミニトマト、ブドウなど)A3またはB4用紙に拡大コピーし、患者さんや患者さんのご家族、また多職種にも渡し、窒息による事故死を予防していきましょう。詳しくは24ページをご参照ください。使い方(きりとり)患者さんに渡そう!とじ込み付録2pI-Ⅱ_DH05_furoku2.indd 113/04/11 10:50危険! こんな食べ方・食べ物は窒息の原因ですとじ込み付録を使って患者さんに伝えよう!A3またはB4サイズの用紙に拡大コピーして、患者さんに配布しましょう。待合室に掲示するのもよいでしょう。17歯科衛生士 Vol.37 May 2013

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