歯科衛生士 5月
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診療室で患者さんからの思わぬ要求や依頼に遭遇することがあります。いったんトラブルが起きてしまうと解決が難しいだけに、できればトラブルは避けたいものです。院長はもちろん、スタッフ全員にかかるストレスも並大抵ではありません。患者さんとのトラブルは医院全体の問題であり、院長だけが取り組むものでも、スタッフだけが取り組むものでもありません。 それでは、トラブルを防ぐには医院としてどうしておけばよいのでしょうか? また、万が一、患者さんがクレーマーになってしまった時にはどう対応すべきなのでしょう? もっとも大事なことは、トラブルやクレーマーを生まないための普段の「心がけ」です。さらにここで私たちがわかっておきたいことは、歯科医療にはもともと「ハンデ」があるということです。たとえば、予防歯科が普及した今日でもいまだ「歯医者に行ったら削られる」というイメージが根付いています。また、治療の性質上、歯科では他科とは比べものにならないほど、心と体の接触が患者さんとの間で緊密に行われています。どちらかといえばトラブルが生じやすい条件下にあるのです。 だからこそ、患者さんを思いやる「心」がいっそう必要になってきます。『安全』な歯科医療を提供しつつ、患者さんを思いやる「心」を加え、『安心』な歯科医院をつくっていくこと。それが何にも優る「トラブル、クレーマー予防」の第一歩です。各歯科医院で、院長、スタッフがトラブル・クレーマー対策についての知識を共有し、方針を話しあっておく必要があります。 本稿は院長、スタッフに読んでいただく共通記事として、上記の考え方を基にトラブル・クレーマー対策についてまとめました。貴院の方針を決める資料として活用していただければ幸いです。医院づくりはじめに山本真樹 医療法人社団山本歯科医院院長61歯科衛生士 Vol.37 May 2013

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