歯科衛生士 2月
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実践のためにポイントは何? 多くの日本国民が罹患している歯周炎は、細菌性プラーク(バイオフィルム)に起因する慢性疾患であり、生活習慣病でもあります。歯周炎にはいくつかの病態がありますが、もっとも発症頻度が多く、私たちが日常的にみる機会が多いのが、慢性歯周炎です。慢性歯周炎は、通常成人になってから発症し、年齢があがるにつれて有病者が多くなると考えられています。したがって、歯周炎のために歯科治療を受ける主な対象は40代後半から60代と考えられています。 一方で、60代以上の患者さんは、歯周炎を主訴に歯科を受診することが少ない印象があります。これはおそらく、高齢患者さんではすでに歯を失っている場合が多いことや、全身の問題などで通院が困難になっているからと考えられます。しかし、実際には歯周病の治療が必要な高齢患者さんは多数いるのではないでしょうか。本稿では、その実態を疫学データから見たうえで、高齢者の歯周治療における問題点、歯科医療者がすべきことを整理します。関野 愉Satoshi Sekino日本歯科大学生命歯学部歯周病学講座准教授特に要介護高齢者の場合、治療のための通院が困難となる35歯科衛生士 Vol.38 February 2014

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