歯科衛生士 3月
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診査力がものをいう!OVER20特集冨岡栄二Eiji Tomioka医療法人社団栄光会冨岡歯科医院理事長 イエテボリ大学歯周病科教授として、現在の歯周治療の構築のために長年中心的役割を果たしてきたJan Lindhe先生が、2012年にEuropean Federation of Periodontologyのインタビューを受けた際に、ご自身のキャリアを振り返りながら、歯周治療の変遷を語っています。1970年頃に多くの歯周治療の専門家が推奨していたのは、さまざまな外科処置でした。ところが、Lindhe先生が各種治療法の効果について厳密な比較を科学的に行ったところ、多くのケースで非外科処置が効果的であることがわかりました。しかし、それは単根歯に限ったことで、根分岐部病変をもつ複根歯では同様の結果が得られないことにすぐ気づかれたそうです。 根分岐部病変部では、歯周治療の基本である非外科処置による効果が十分ではなく、治療やメインテナンスが難しいといえます。したがって、日常の臨床において、その特徴をよく知っておくことや、存在を見逃さない診査力を身につけておくことが必須です。また、根分岐部病変にどのような処置をするのが適切かについては、さまざまな要素が複雑に関係するため、いろいろな側面から総合的に判断される必要があります。 本稿では、根分岐部病変がもつ特徴と、その診査のしかたについて解説します。治療やメインテナンスが難しい根分岐部病変だからこそ診にくいところだからこそ、できるかぎり情報を集めたり想像力をはたらかせることで、全体像をつかむことが大事!21歯科衛生士 Vol.38 March 2014

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