歯科衛生士 3月
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患者さんが来る前にこれだけはおさえておこう! 歯科衛生士としてもつべき 「高齢患者さん」のとらえかた歯周治療の内容そのものは、成人患者さんであろうが高齢患者さんであろうがほとんど変わりません。しかし、口腔機能の低下によって、高齢患者さんには特有の性質が生じています。まずは、それを理解しておきましょう。 口腔には、唾液や口唇・舌に代表される口腔周囲筋による自浄作用が備わっています。加齢にともなう口腔機能の低下は、この自浄作用を低下させるため、高齢者の口腔衛生状態は知らず知らずのうちに悪化しています。加えて、口腔内細菌数も増加します。よって、診療室に通院で 高齢患者さんでは、口腔咽頭感覚の低下によって、嚥下反射が遅れたり咳がい嗽そう反射が低下しやすくなります。その結果、口腔内に水分を保持したり、口腔内に溜まった唾液を感知することが難しくなるため、歯科治療中のムセや誤嚥につながりやすくなります。さらきる場合であっても、高齢患者さんであれば「口腔衛生状態が悪化したハイリスク患者」として対応する必要があります。 メインテナンスで通院する高齢患者さんは、多くの残存歯を維持しています。そのため、上記に述べたような口腔衛生状態の悪化は特に起こに、プラークや歯肉縁下に生息する歯周病原生細菌である偏性嫌気性菌は、誤嚥性肺炎の原因菌としてもかかわります。そのため、免疫力が低下した高齢患者さんの場合、PMTC中に機械的清掃によって除去したプラークやバイオフィルムが混ざった唾液を誤嚥すりやすくなります。また、加齢変化に加えて、基礎疾患をもつ高齢患者さんの場合、免疫力が低下していることが多いため、歯科疾患の重症化のみならず、感染症のリスクもともなうことになります。ることによって、誤嚥性肺炎のリスクが高まることが考えられます。 したがって、高齢患者さんに歯周治療を行う際には、口腔機能や咽頭機能を考慮しながら治療を進める必要があります。口腔衛生状態が悪化しやすく、感染症のリスクが高まっている!歯周治療でもさまざまなリスクが起こりうる!口腔にされる口腔備わって腔機能の低下させる態は知らいます。加加します 高齢患者低下によっ嗽そう反射が低結果、口腔腔内に溜ま難しくなる誤嚥につな口腔衛歯周治61歯科衛生士 Vol.38 March 2014

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