歯科衛生士 7月
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思春期のメインテナンスどの医院も苦労していませんか?乳幼児期から“本人”へはたらきかける途切れさせないためには、いかにしてその習慣を確立させるかが鍵です。当院では、乳幼児期からのはたらきかけをしているのでご紹介します。斉藤 仁 さいとう歯科室 歯科医師就学前から、子ども本人のことをよく知る1早いうちに親離れのための自立をうながす2悪いところばかりを指摘しない!4せっかく守ってきたお口! もったいないことにならないようトークする31思春期前は本人+本人を囲む人々・環境にアプローチする 定期的に歯科医院に来院することを習慣化させるために、就学前からメインテナンスを中断させないことを目的の1つとして、子どもや保護者と接していきます。特にこのころは、担当歯科衛生士と子どもが良い人間関係を築くことに重点を置き、子どもをよく知ることに努めます。 来院時には、保護者と一緒に診療室に入室してもらい、家庭や保育園・幼稚園での様子などを保護者から聞くと同時に、子ども本人からも直接聞き取りを行います。どんな性格の子どもなのか、几帳面かずぼらか、自立心が強いか甘えっ子かなど、口腔内の情報以外のことを把握し、記録していきます。 本人1人で来院していくために、小学校低学年以降は親離れ、子離れをうながします。そのため来院時には子ども1人で診療室に入室してもらいます。保護者と一緒に入室したがる場合には、「今日は1人でやってみようか!」などのさりげない声かけで、1人で入室できるようにしていきます。 食生活や口腔清掃が完璧な人などいません。どうしても悪いところを指摘したくなりますが、来院のたびにダメ出しされていたのでは来るのが嫌になります。「指導」ではなく「支援」を心がけ、メインテナンスに来ることで口の中だけでなく、心もすっきり気持ちよくなるように気を配ります。 メインテナンスに来ることで口腔の健康が守れることを思春期前から伝えていきます。たとえば乳歯列期にう蝕治療をした子どもには、継続した来院で永久歯のカリエスフリーを守るチャンスになることを伝えます。一方う蝕治療の経験のない子どもには、それがとてもすばらしいこと、メインテナンスで守り続けられることを伝えます。本人対35歯科衛生士 Vol.38 July 2014

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