歯科衛生士 7月
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低栄養の実態を知っておこう!高齢者で急増中!高齢者で急増中! 高齢患者さんの場合、加齢とともに身体機能や食事の摂り方にさまざまな変化が生じてきます(図2)。こうした変化によってうまく食べられなくなったり消化できなくなると、十分な栄養素を摂れなくなるため、低栄養に陥ってしまうのです。 人体に必要な量のタンパク質とエネルギーがとれていない状態を「低栄養(Protein energy malnutrition、PEM)」と呼びます。低栄養は、ビタミンやミネラルなど各種の栄養不足もとも加齢変化によって高齢者は低栄養になりやすい!低栄養とは?図2 加齢変化によって低栄養を招く必要な栄養素が不足し、低栄養となる●噛む力(咀嚼・嚥下機能)が低下する●唾液の分泌量が減少する●消化液の分泌量が減少する●腸の動き(蠕動運動)が低下する●味覚が低下する●口腔衛生が低下する●嗜好が変化する●食欲が低下する●食べ物を消化しにくくなる●毎日同じような食事を摂る●1日および1回の食事摂取量が少なく、時には欠食することもある●慣れ親しんだ食物嗜好や食習慣によって栄養摂取が左右されるなうため、体重減少と免疫力の低下を招く結果、感染症など多くの病気にかかりやすくなります。低栄養の高齢者はこんなに多くいる! 驚くべきことに、現在60歳以上の日本人の栄養状態をみてみると、健常な栄養状態にある人は60%しかいません(図1)3)。低栄養の人はなんと20%(低栄養予備軍10%、認知症5%、寝たきり5%)もいます。残りの20%は、過剰栄養か過剰栄養予備軍の人となっています。(参考文献3より引用改変)図1 高齢者の栄養状態の現状高齢者の半数近くは栄養状態が健常ではない。その結果こうなる!その結果こうなる!その結果こうなる!その結果こうなる!その結果こうなる!その結果こうなる!51歯科衛生士 Vol.38 July 2014

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