歯科衛生士 9月
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拡張期血圧収縮期血圧持続性高血圧白衣高血圧仮面高血圧正常血圧歯科医院で血圧が上昇することがある!まずはおさらい!高血圧と歯科診療の関係 血圧は測定する環境や時間帯によって異なりますが(表1)、血圧診断は、「正常血圧」「白衣高血圧」「仮面高血圧」「持続性高血圧」の4つに分類されます。この中で、歯科診療で特に注意が必要なのが「白衣高血圧」です。 高血圧とは、血圧が基準値(=降圧目標値)を超えて高く維持している場合を指しますが、その基準値は、診察室血圧であれば収縮期血圧140/拡張期血圧90mmHg、家庭血圧であれば135/85mmHgです。「白衣高血圧」は、家庭血圧が基準値以下、診察室血圧が基準値以上の場合を指します(図1)。つまり、日常生活では正常な血圧値を維持しているのに、歯科医院で血圧が上昇してしまっているということです。高血圧はあらゆる疾患の中でももっとも羅患患者数が多く、歯科診療を行うにあたってももっとも多く遭遇する疾患です。2010年の高血圧有病者数は約4,300万人(男性2,300万人、女性2,000万人)と試算されています1)。まずは、なぜ注意が必要なのかおさらいしておきましょう。表1 基準値(降圧目標値)は測定する環境によって異なる図1 歯科医院での白衣高血圧には要注意!家庭血圧が135/85mmHg以下、診察室血圧が140/90mmHg以上の場合を「白衣高血圧」という。逆に診察室血圧が140/90mmHg以下、家庭血圧が135/85mmHg以上の場合を「仮面高血圧」という。診察室血圧(病院や診療所で測る血圧)1140/90mmHg診察室外血圧家庭血圧(家庭で測る血圧)1135/85mmHg24時間血圧(1日中連続して測定した血圧)1130/80mmHg昼間血圧(昼間の血圧)1135/85mmHg夜間血圧(夜の寝ている時間帯の血圧)1120/70mmHg(参考文献1より引用)1ここに注意!家庭で正常135/85mmHg以下家庭で高い135/85mmHg以上診療所で高い140/90mmHg以上診療所で正常140/90mmHg以下(参考文献1より引用)93歯科衛生士 Vol.38 September 2014

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