歯科衛生士 10月
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歯石を効率良く、確実に除去していくには、術者としての手の触感を鍛え、経験を積んでいくことが大事ですが、ただ「なんとなく」SRPをしているだけでは、なかなか上達していきません。 歯石を確実に除去するには、いうまでもなく①歯石を正確に探知する、②探知した場所に確実に器具を持っていくことが基本ですが、効率よく、確実に歯石除去を行うには、診査資料をもとに「歯石の見立て」を事前に行っておくことが重要です。つまり、①歯石の硬さや性状、②歯石の量、③歯石が付着している根の形や方向、④歯の植立方向や位置などを、エックス線写真、プロービングチャートから読み、プロービングで探り、歯肉縁下のようすを頭の中でイメージしながら器具の選択、SRPのやり方、注意点、などを考えていく必要があります。 一言で歯石といっても、すべて同じではありません。その都度、頭を使って考えながらやっていきます。歯石を取っているという行為自体は、それほど難しいことではありません。ただ、きちんと考えながらやっているかどうかで、差が出てくるのです。 本特集では、筆者が実際にSRPを行った11症例を挙げながら、歯科衛生士として歯石を読み、見立てる力を養うための指南を行っていきます。 ここでは、読者の方々にお伝えしやすいよう、あえて重度歯周病患者さんの例をあげています。初期から中等度でも読み方・見立て方は同じですので、応用してみてください。 「なんとなく」のSRPでは、歯石は取れない!エックス線写真を見て、触ってイメージしよう!歯石探知の思考プロセスチャートエックス線写真プロービングチャートエキスプローリング(プロービング)効率よく歯石を取るために、使用器材、所要時間を考える●多量の歯石、挿入しやすいポケット=少し大きめの刃のキュレット●特に硬い歯石=シャンクの太い、リジットタイプのキュレット●歯肉が硬く、部分的に狭い・挿入しにくいポケット=ミニタイプのキュレット、 刃が小さくなったキュレット歯石の位置、硬さ、量、形状をイメージする歯の形態をイメージする●歯冠と歯根の関係●歯根の形態※同部位の歯牙模型で根の形を参考にするのも良い29歯科衛生士 Vol.38 October 2014

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