歯科衛生士 10月
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100908070605040302010 フッ化物配合歯磨剤のシェアの変化を図1に示しました。わが国では1948年に初めてフッ化物配合歯磨剤が市販され、その後も複数のフッ化物配合歯磨剤が市販されました。しばらくの間は、国民に広く選ばれることはなく、シェアが大きく伸びることはありませんでした。しかし近年になりフッ化物配合歯磨剤のシェアは順調に伸び、現在では主要銘柄の歯磨剤のほとんどにフッ化物が配合され、市場占有率はすでに90%程度になっています。 フッ化物配合歯磨剤の普及とともに、わが国の若年者のう蝕は急激に減少し、平成23年度歯科疾患実態調査での12歳DMFT指数(一人平均う蝕経験歯数)は、1.4まで改善しました(図2)2)。また、平成22年度学校保健統計調査3)でも、12歳DMFTは1.05にまで減少し、う蝕予防が進んでいる北欧諸国と同じレベルにまで減少してきています。日本の若年者う蝕の減少の理由には、口腔保健行動の変化や少子化などの多様な要因の関与によるものであることが推察されますが、フッ化物配合歯磨剤の普及はその中でも大きな要因の1つと考えられています。 このように、フッ化物配合歯磨剤の効果は明らかですが、確実に効果の出るものとするために、同時に使い方も伝えていくことが大切です。フッ化物配合歯磨剤の今日の課題とはフッ化物配合歯磨剤は、ただ使えばよいというだけではありません。正しい使い方をしてこそ効果を発揮できます。今や日本で定着したフッ化物配合歯磨剤、次は正しい使い方を伝えていく時期図1 フッ化物配合歯磨剤のシェア図2 12歳DMFT指数(参考文献2より引用)(参考文献1より引用)市場占有率(%)(歯)(年)200519851990199520006543210DMFT指数(年)2012198119881993199920051980近年、フッ化物配合歯磨剤の市場占有率は90%に!フッ化物配合歯磨剤の普及とともにDMFTが減少!40歯科衛生士 Vol.38 October 2014

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