歯科衛生士 10月
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なぜ詳しく全身状態を把握していないといけないの? 今までは、患者さんから情報を引き出すことを「問診」と呼び、 医療者側を中心に一方的に行われていました。しかし、それでは病気の診断はついても、患者さんの気になっていることの根本的な解決にはつながっていませんでした。そこで現在では、患者さんとの対話によって情報の共有を行い、患者さんの訴えをよく聴き、適切な質問を行う医療面接(medical interview)というコミュニケーション 問診票は、各歯科医院が工夫して作成していますが、基本的な体裁や質問項目に大きな違いはないと思います。重要なことは、問診票をうまく活用して、いかに情報を聞き出し、患者さんの背景を知り、全身状態の評価につなげるかということです。 たとえば、服用薬について「何か飲んでいる薬はありますか?」と尋ねることは、患者情報を探索する良いきっかけとなります。その際にお薬手帳から、処方された薬の名前や飲む量、回数などの記録(薬歴)を確認することで大まかな病歴を知ることができます。また、歯科治療で投薬が必要になった際には、重複投与や飲み合わせなど、注意喚起が可能となります。 患者さんによっては、「歯科治療と全技法が用いられています。 医療面接には、「情報収集」「病状の啓発」「信頼関係構築」などの役割があります。このときに用いるのが、患者さんに記入していただく質問用紙、すなわち問診票(診療申込書)です。問診票は、主訴、既往歴、現病歴、家族歴、社会歴などの患者情報を整理するためのツールといえます。身的な病気は関係ない」「軽かったと感じた病気は病歴に入らない」などと自分の判断で誤解している場合もあります。さらに、高齢者などでは自分自身が病気にかかっていることに気がついていないこともあります。医療面接を通じて、「会話がちぐはぐでないか?」「落ち着きがない」「顔色が悪そう」など、精神的・身体的な問題を知るための観察も重要です。患者さんに全身疾患が判明した際、なぜ詳しく聞くことが大事なのでしょうか。患者・医療者間で情報を共有しないと、根本的解決に至らない1理由医療面接での情報収集がないと、全身状態を評価できない2理由お薬手帳の確認病歴を知ることができる歯科医院での投薬時の注意喚起につなげられる確認73歯科衛生士 Vol.38 October 2014

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