歯科衛生士 2015年9月
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花田信弘Nobuhiro Hanada鶴見大学歯学部探索歯学講座 教授 保護者から乳幼児にミュータンス菌がどのように伝播、定着し、感染するのか――う蝕発症に至る過程について、根拠に基づく理解ができていますか。また、伝播、定着、感染、発症がどういった状態を指すのか、曖昧だったりはしませんか。 第3回は、鶴見大学の花田信弘先生に、う蝕発症のメカニズムについて研究者レベルの解説をお願いしました。感染の段階ごとの防御のポイントに加え、保護者に対するアプローチもご指導いただきます。吉田昊哲 Hironori Yoshida南山手小児歯科院長シリーズナビゲーターう蝕に至る過程を理解していますか?糖細菌宿主う蝕※第4回のタイトルは変更となることがあります。第1回リスク全体の視覚化 「ステファンカーブを指導に活用」奥 猛志 おく小児矯正歯科院長第4回糖の面からのアプローチ 「糖と代用糖をカガクする」藤原 卓 長崎大学教授第3回細菌の面からのアプローチ 「ミュータンス菌の変化を知ろう」花田信弘 鶴見大学教授第2回宿主の面からのアプローチ 「フッ化物応用のポイント」眞木吉信 東京歯科大学教授(7月号掲載) 「これまで」のう蝕治療は、う窩から始まる治療でした。う窩から始まるう蝕治療は、最終的には全部床義歯への道を進むことになります。「これから」のう蝕治療は、ミュータンスレンサ球菌の伝播・付着・定着・感染を防止するところから始める必要があります。 ミュータンスレンサ球菌が伝播・付着してからう窩が形成されるまでは、伝播・付着→定着→感染→初期う蝕の発症→う窩形成のように、いくつものステージがあります。う窩が形成されてしまうと歯科医師の領域となりますが、そこにいたるステージまでには、歯科衛生士がう蝕発症を止めるチャンスがいくつも存在するのです。 本特集では、各ステージごとのミュータンスレンサ球菌の性格を理解して、歯科衛生士としてどのようなアクションを取るべきかをお教えします。たりはしませんか。 第3回は、鶴見大学の花田信弘先生に、う蝕発症のメカニズムについて研究者レベルの解説をお願いしました。感染の段階ごとの防御のポイントに加え、保護者に対するアプローチもご指導いただきます。 邪魔しよう 邪魔しよう(8月号掲載)29歯科衛生士 September 2015 vol.39

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