歯科衛生士 2015年10月
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補綴物のケア 始める前に理解しておくべきこと 一連のケアで行うポリッシング行為には、付着物や沈着物を取り除く「衛生学的な研磨」と補綴物の表面のコンディションを整える「材料学的な再研磨」があります。本来、修復材料の汚れは天然歯よりも落としやすいはずです。したがって、研磨剤とブラシが本当に必要なのかをまず考えてから着手しましょう。 また、いわゆるPMTCに用いるポリッシングペーストは衛生学的な研磨に用いるものであり、材料学的な再研磨を行うことはできません。器具や研磨剤による傷を極力おさえ、適切な製剤選択によってメインテナンスを行わなければ、完成時の品質を維持していくことは不可能です1)。そこで、以下の事項を基本方針として臨むとよいでしょう。 付着物や沈着物を取り除く「衛生学的な研磨」と補綴物表面のコンディションを整える「材料学的な再研磨」を明確に区別する基本的にメインテナンスで行うのは「衛生学的な研磨」「衛生学的な研磨」(特に研磨剤を用いたPMTC)が必要な部位を明確にするセルフケアで到達できない部位は特に注意する付着物や沈着物の除去はプラスチック製などマイルドな器具・器材から選択するセルフケアの方法が修復材料に合っているか確認する既存の補綴物について現状よりも状態が良くなる場合のみ「材料学的な再研磨」を行う補綴物のケアに必要なコンセプト1補綴物のケアの基本方針理解しよう1必要以上のケアは避ける大前提2修復材料を傷つけたり、劣化させたりしてはいけない大前提1特に、自院で製作した補綴物の場合、完成した時の状態を極力維持していくことが必要!歯科衛生士 October 2015 vol.3928

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