歯科衛生士 2015年10月
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BASICSBASICSDHのための補綴物のケア“いつ、どうしたらいいの?”を解決!補綴物のケアに関する具体的なノウハウについて知る前に、まずおさえておくべき基本方針やケアの実際の流れを確認しましょう。 義歯を含む補綴物が天然歯と混在しているケースのプロフェッショナルケアは、図1の手順に沿ってすすめます。 プロフェッショナルケアに先立って、炎症や補綴物・修復物の破損などがないかを確認し、歯科医師に報告します。特に、コンタクト部のチップによる圧入や隣接部におけるインレーの不適合は頻度の高いトラブルなので必ず確認します。口腔内の衛生学的な研磨では、歯垢染色液による染め出し、一次洗浄(厚みのあるプラークの除去)、二次洗ケア開始前の炎症のチェック歯科医師への報告セルフケア処方図1 プロフェッショナルケアの流れプロフェッショナルケアの流れ理解しよう2材質、汚れの種類・程度のチェック 1P.31器具、器材の選択 1P.32~34口腔外可撤式補綴物口腔内天然歯・補綴修復物衛生学的研磨P.35・36衛生学的研磨一次洗浄(厚みのあるプラーク除去)二次洗浄(バイオフィルムの破壊)歯面・歯間部清掃染め出し材料学的再研磨修復材料の再研磨 1P.37義歯汚染状況、材質、破損等のチェック 1P.38・39洗浄方法、洗浄剤の選択 1P.38・39義歯の洗浄 1P.38・39浄(バイオフィルムの破壊)をした後、歯面と歯間部の清掃を行います。清掃後は、修復材料自体の再研磨が必要かどうかチェックし(詳細はP.37)、歯科医師に報告します。義歯についても、洗浄後に再研磨が必要か判断して報告します。最終段階では、セルフケアで使う道具と手法が修復材料にマッチしているか確認します。 義歯装着者では、口腔内のケアと義歯のケアを同時進行できると効率が良くなります。補綴物・修復物の状態のチェック義歯床の破折線は必ずチェックし、支障をきたす前に対応する。クラスプやバーが包埋されている部位は、床の破損が生じやすく、細菌が繁殖するため、注意して観察する。ポーセレンやハイブリッド素材の辺縁隆線にチッピング(セラミックやエナメルなどが欠けること)がみられると、食片圧入の原因となり、コンタクト離開や歯間乳頭部の炎症を引き起こすことがある。[口腔内のトラブル例] コンタクト部のチップによる圧入[口腔外のトラブル例] 義歯の破折材料学的再研磨義歯の再研磨必要ある場合補綴修復物必要ない場合必要ない場合必要ある場合天然歯修復材料の再研磨の必要性チェック、歯科医師への報告 1P.37義歯の再研磨の必要性チェック、歯科医師への報告29歯科衛生士 October 2015 vol.39

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