歯科衛生士 2016年1月
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  ナンス患者数とその12歳時DMFT*2015201420032002200120001999(年)3,2541,3751,2801,1881,057779(~10/30)*永久歯萌出時から当院へメインテナンスに通う患児が対象須貝昭弘 Akihiro Sugai須貝歯科医院 院長手塚愛美 Manami Tezuka中島悠子 Yuko Nakajima巻田 円 Madoka Makita須貝歯科医院 歯科衛生士Illustration:大橋明子まずは、ごく普通の「町の歯医者さん」である須貝歯科医院が、メインテナンス患者さんであふれるようになるまでの道のりをご紹介します。 テナンスをつくろう期的に歯科医院に健診にくることは“普通のこと”であり、何の痛みをともなうことでもなく、その結果むし歯の予防ができるのだ」とわかってもらうための取り組みを、ハードルの低いところから始めることにしました。1.すべての子どもに同じ予防処置を行い、それが確実に効果が出るように、できるだけていねいに行うことにした プラークが付着している歯にフッ化物塗布を行っても意味がないので、まずはPTCやPMTCを行った後に、フッ化物塗布を行った2.メインテナンスにかかる30分の間、子どもが嫌がるようなことはせず、歯科医院が子どもたちに嫌なイメージとならないよう注意した フッ化物製剤も、子どもたちが好きそうなフレーバーを個人輸入して用意し、子どもたちに好きな味のものを選ばせるようにした3.口腔内がきれいな場合は、よりていねいな予防処置を意識的に心がけることにした 通常のメインテナンスでは時間的にPTCまでしか行えないが、口腔内がきれいな子どもにはPMTCまで行い、より完璧をめざした どれも今ではあたりまえのことですが、当時はそのような対応をする医院はほとんどありませんでした。 メインテナンスがすっかり定着し、う蝕になることがきわめてまれになってきたため、メインテナンス患者数の推移も、12歳時のDMFTについても、医院として集計する意味を感じなくなり、特にデータを取らなくなってしまいました。ただし、永久歯萌出時から医院に通っている現在12歳児の子どもを調べてみると、どの子にもう蝕経験はなく、DMFTは限りなくゼロに近いといえます。 これだけのメインテナンス患者さんが来院するというのは、患者さんがメインテナンスの内容と結果に満足していることの証になるのだと思います。しかし、これに慢心せず、「カリエスもペリオも見逃さないしっかりとしたメインテナンスの能力を高めていかなければならない」と、気を引き締めています。さらなる精度向上へ現在 このような対応をするようになって、口腔内がきれいで、健康意識の高い家庭の子どもたちが多く来院するようになってきました。そういった家庭の母親は、地域でも子どもの教育や健康管理に熱心であることがママ友の中で知られていることが多かったりします。「あのうちの子が通っている歯科医院であれば安心」というような噂はあっという間に広がるもののようです。医院拡張に拡大ユニット数:518台DH数:516人モチベーションの高い患者さんの期待に応えることで、モチベーションの高い患者さんが集まる6(本)345210約0.12,875須貝歯科医院は東京のベッドタウンとして人気が高い川崎市の駅前にある医院移転に拡大ユニット数:315台DH数:215人*ゆるメンテとは、患者さんの管理はゆるやかな分、歯科医院における精度の高いリスク管理で予防していくメインテナンス方針を指します。19歯科衛生士 January 2016 vol.40

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