歯科衛生士 2016年1月
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OVER65特集illustration:ハラアツシ不安を受け入れてうまくいく認知症患者 認知症患者さんの心理・行動はわれわれにとってなかなか理解しにくいことが多く、「わけがわからない行動をとるのは認知症だから」と片付けてしまいがちです。でも、実は認知症患者さんの行動は決して支離滅裂なものではなく、その人の想い(心理)、すなわち患者さんが受け止めている世界に裏付けされているのです。歯科医院でもますます認知症の患者さんは増えていきます。どう考えれば患者さんの世界を理解して適切に対応できるのか、一緒に考えていきたいと思います。図1 認知症高齢者の割合(女性)トラブルをよばない 2013年に厚労省研究班から、462万人の認知症患者が存在するとの報告がされています。この数は、認知症が特別の疾患ではなく、“身近な病気:common disease”になっていることを表しています。また、75歳以上の後期高齢者になると、その発症割合が急速に増加することも認知症の特徴です(図1)。女性では、85~89歳の約4割、90歳を超えると6割以上の人々が認知症であるとの報告がなされています。認知症は、高齢者になればなるほど“身近な病気”(%)10080604020907050301065~6970~7475~7980~8485~8990~9495~79.561.041.421.813.64.12.9(歳)75歳から認知症発症割合が急激に増加!0(文献1より引用改変)歯科衛生士 January 2016 vol.4054

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