歯科衛生士 2016年3月
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合田幸枝Sachie Gouda筒井歯科医院歯科衛生士筒井照子Teruko Tsutsui筒井歯科医院副院長歯並びに影響する要因のひとつに、日常的な姿勢があげられます。なかでも睡眠時やリラックス時の姿勢である「うつぶせ寝・横向き寝(睡眠癖)」と「頬杖」は、歯列への影響が大きい“態癖”として知られています。そうした態癖が疑われる歯列の特徴と、患者さんへの注意の促し方を学んで子どもの健全な歯列育成に生かしましょう。(編集部)頬杖 わかりやすく言うと、口腔をはじめ全身に影響を与える「よくない生活習慣」のことです。態癖と一言でいってもいろいろな種類があり、「狭義の態癖」「広義の態癖」「口腔周囲の癖」の3つに分類されます(表1)。 今回は、その中でも特に歯列への影響が大きい「うつぶせ寝・横向き寝(睡眠癖)」と「頬杖」について、見つけ方や、そういった態癖をもつ患者さんへのアプローチのしかたを説明します。人間は生まれたときは、ほとんどの人が左右対称な形です。それに態癖というささいな力が加わることで、体や顔面、口腔が少しずつ非対称になっていくのです。態癖とは 『包括歯科臨床Ⅱ』(筒井照子ほか著、小社刊)1)では、態癖を以下のように定義しています。表1 態癖の3つの分類姿勢のクセ日常の生活習慣の中で、無意識で行う様々な習癖がある。このささいな習癖が長期に及ぶことにより、歯牙を移動し、顎顔面系さらには全身に大きな影響を及ぼす。この顎口腔系に悪影響を及ぼす習癖を態癖と名付けた。下顔面に直接力が加わる。●睡眠癖(うつぶせ寝、横向き寝 など)●頬杖●体操座り狭義の態癖全身のゆがみが関係する。下顔面に直接力が加わらない。●職業癖●ショルダー癖●趣味癖●家事癖●スポーツ癖●テレビ癖広義の態癖口腔周囲筋のアンバランスな緊張。●舌癖●口唇癖●エクボ癖●楽器癖(管楽器)●つくり笑い口腔周囲の癖 こんなにゆがむ!今回はこの2つに注目!歯列がV字型にへこんでいる!力の向き19歯科衛生士 March 2016 vol.40

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