歯科衛生士 2016年3月
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 本来、歯科治療というものは、患者さん自身が歯や口の異常に気付き、それを「治したい」という強い希望をもって来院するところから始まります。疾患を治す気持ちがない人は受診しないため、「嫌がる患者さんを無理やり診察する」ことは根本的にありえない、というのが常識でしょう。しかしながら、これには例外が3つあります。①義務を負わされた大人。集団健診の結果、異常を指摘され、それを治療した、診察を受けたということを勤務先や学校に報告しなければいけない、という人。②子ども。本人は治療を受けるつもりはないが、保護者が治療を望んでいる場合。そして、③今回のテーマである、知的障害や発達障害をもつ人たち。 ①の場合は、今現在このような異常があって、治療しなかった場合に今後どれだけの不利益があるのか、ということを順序立てて説明すれば理解してもらうことができるでしょうし、それでも理解が得られな歯科治療を行えるのは、私たち以外にいないい場合には受診そのものがなくなるでしょう。 ②の場合は、低年齢による知識と経験の不足、そして発達途上であることから、現在の症状を放置した際に将来起こる不利益を説明しても、ましてや健康を守ろうなどという考えを説いても、その時点では本人の理解と協力が得られないことがしばしば起こるものです。したがって、保護者と術者の判断で強制的、抑制的に治療が行われることが多々ありますが、適切にフォローもった患者さん 知的・発達 プラスα特集障害者差別解消法施行目前!はじめに歯科衛生士 March 2016 vol.4078

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