歯科衛生士 2016年5月
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隣接面う蝕編後メインテナンスの子どもたちをう蝕守るテクニックからバイトウィング法によるエックス線撮影で確定診断 前述のように、隣接面う蝕の発見が難しいのは、小臼歯が萌出して永久歯列が完成する年齢になってからです。小臼歯や大臼歯の隣接面う蝕を視診で発見するのは難しいことが多くあります。その理由は、乳臼歯に比べて永久歯臼歯は歯冠長があり、う蝕の始まるコンタクトポイントが辺縁隆線から離れていることと、エナメル質の厚みがあることにあります。 そのため、永久歯臼歯の隣接面にう蝕があるかどうかの確定的な診査はバイトウィング法によるエックス線撮影になります。どんなにプラークコントロールの状態が良くても、定期的なエックス線診査は不可欠です。スクリーニングの結果が心配な場合(グレー)にも、歯科医師に報告し、必要であればエックス線撮影を行います。隣接面う蝕もう蝕の好発部位ですが、その難しさは、小窩裂溝う蝕とはまた違った部分にあります。 確実に防ぐ!隣接面の診査とスクリーニング 歯科衛生士のメインテナンスで臼歯の隣接面う蝕を診査する方法には、視診とデンタルフロスによる触診があります。ただし、辺縁隆線が欠けて実質欠損が視診で確認できる段階になると、う蝕はかなり進行してしまっているので、メインテナンスで診ているのであればその前に発見したいものです。 視診では、辺縁隆線のエナメル質下に変色を見つけることができます。前述のように、乳歯列では、歯冠長が短くエナメル質も薄いので、視診で変化を見つけることは容易にできます。定期的にメインテナンスに来ているのであれば乳歯のDEの隣接面う蝕を見逃すことはないでしょう。 メインテナンス時の隣接面の清掃はデンタルフロスを使用して行いますが、隣接面にう蝕が発生した場合には面が荒れてフロスがばらけてくるようになります。変化をみつけた場合には歯科医師に報告します。それを切削するかしないかの判断は歯科医師が行います。STEP*1視診とデンタルフロスによる触診でチェック表2 隣接面う蝕の診査難易度永久歯の隣接面は乳歯に比べて面積が広いため、フロスで触診を行う場合も、う蝕が始まっていても触知しにくい。乳歯永久歯視診低高デンタルフロスによる触診中高エックス線診査低低53歯科衛生士 May 2016 vol.40

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