歯科衛生士 2016年7月
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だから、Illustration:macco 母乳栄養児・人工栄養児を問わず、卒乳が遅れ、授乳回数が多いとう蝕になりやすく、卒乳の遅い子は授乳回数と間食回数が共に多い傾向にあります。また、その間食内容も、砂糖含有飲料や菓子が多い傾向があると言われています。 多くの文献で、授乳習慣が1歳4ヵ月を過ぎるとう蝕発生率が上昇するという結果が認められるように1-5)、1歳半健診よりも前、つまり1歳までの歯科健診受診を勧める必要があります。1歳前後での公的な健診の実施がただちには困難だとしても、個人診療所での個別の健診および指導はこれからますます必要となっていくと思われます。子どもたちの質の高い口腔管理は1歳前の介入から外木徳子Noriko Tonogiとのぎ小児歯科 院長卒乳――赤ちゃんが、お母さんのおっぱいを卒業すること。赤ちゃんにとって(お母さんにとっても)、慣れ親しんだおっぱいと別れるのは大きなテーマです。すんなり次のステップに進める場合ばかりではなく、赤ちゃんに言い聞かせたり、驚かせたり、古今東西、さまざまな試みがなされてきました。一方、この頃の赤ちゃんは、乳児嚥下から成人嚥下に切り替わり、咀嚼を覚え、鼻呼吸を定着させて、正常な口腔機能を獲得します。卒乳に悩むお母さんにとっても、将来の口腔を支えたい歯科医療者にとっても、この時期のかかわりは重要なのです。本稿では、「母乳育児の指導=止めさせること」ではなくなった今、知りたいことをまとめていただきました。 (編集部)歯科衛生士 July 2016 vol.4060

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