歯科衛生士 2016年10月
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2超音波スケーラーによる歯周治療の成果超音波スケーラーを使い始めた当初は、私自身その効果について懐疑的でしたが、システムとしてセンターに導入し、実際に患者さんを治療していった結果、歯周治療の成果は飛躍的に向上しました。ここでは、特に深い歯周ポケットに対して超音波スケーラーがどれほど有効なのか、症例を見ていきましょう。年齢・性別31歳(初診時2009年6月2日)、女性障害知的能力障害服薬抗てんかん薬(デパケン®、テグレトール®)診断広汎型中等度慢性歯周炎治療内容超音波スケーラーだけで全顎の歯肉縁下デブライドメント(無麻酔下)。治療終了後は毎月のSPTを継続した。治療期間6週間。この間に、1回につき45分の治療を計4回行った。患者さんの基本情報初診時。全顎的に歯肉の炎症が著しい。図4 治療前後の口腔内写真治療6ヵ月後。歯肉の炎症がかなり改善された。症例で見る!無麻酔下でも治療でき、炎症も改善2CASE この症例を経験したことで、超音波スケーラーだけでも歯周ポケットが改善すること、無麻酔下でも患者さんの痛みの訴えが少ないこと、短時間で広範囲の治療を行えること、プラークコントロール不良でも改善することを学びました。 手用スケーラーは使わず、初めて超音波スケーラーだけで歯周治療を行った症例です。プラークコントロールは治療前後一貫して非常に悪い状態でしたが、炎症と歯周ポケットの改善がみられました。超音波スケーラーのみでポケットが改善歯科衛生士 October 2016 vol.4038

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