歯科衛生士 2016年11月
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老化に応じた対応をしよう身体的な老化赤石充隆 やさしい手千葉居宅介護支援事業所・ケアマネジャー武藤智美 葭内歯科医院・歯科衛生士口腔には加齢の影響が特に現れる図4 根面の露出歯肉退縮や歯の傾斜による歯列不正がみられ、口腔清掃が難しくなってくる。高齢者の特性を知って、体を動かすためのさまざまな部分に衰えが出る●体が思うように動きにくくなり、体力も落ちてしまっている。少し動いただけで呼吸が苦しくなり、休憩を要する●最初は簡単に上がっていた足も次第に上げにくくなり、躓きやすくなる。そのうえ、筋力も低下しているため、ふらつきも出現し、転倒のリスクが高くなる●骨も弱っており、ちょっとした衝撃で簡単に折れてしまう感覚が鈍くなる●視力が下がって見えにくくなったり、視野が狭くなっていたりすることもある●聴力も低下し、特に高音が聞き取りにくくなる(何度も聞き直している高齢者を見かけたことはありませんか?)●嗅覚も衰え、臭いに気付きにくくなってしまう●暑さや寒さにも気付きにくくなるため、脱水などを起こしやすくなっている●口腔機能や味覚が低下する●低栄養のリスクが高くなる●歯肉退縮によって根面が露出してくるケースが多くみられる(図4)●個人差はあるが、一般的に粘膜上皮が薄くなり、粘膜下組織も委縮 し弾力を失うため傷つきやすくなる●唾液腺も委縮する傾向があり、唾液分泌量は低下する●咀嚼筋や咽頭も加齢による変化が見られる1理解力や記憶力の低下がみられる 高齢になるにつれ、認知症ではなくとも、次第に理解力や記憶力の低下が起こります。昔のことはよく覚えているのですが、最近の公的な制度の理解が難しくなったり、新しい電気機器などの使い方を覚えるのが困難になってきたりします。教わった直後は覚えていても、しばらくすると教わった内容を忘れてしまい、対応できないこともあります。歯科衛生士 November 2016 vol.4026

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