歯科衛生士 2017年1月
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Illustration:サタケシュンスケ講座 歯周病のなかでも不可解な侵襲性歯周炎。歯科衛生士教本などを見ても、侵襲性歯周炎に関する解説はあまりにも少ないのが現状です。また、これまでにも多くの専門誌で取り上げられてはいますが、科学的根拠に基づいた病因論が解説されているものは少なく、多くはケースレポートです。その理由としては、慢性歯周炎に比べ、侵襲性歯周炎の発症率が非常に低いこと、そして、病因論がいまだによくわかっていないことが挙げられます。実際、読者の皆さんにおかれましても、侵襲性歯周炎の疾患名は知っていても、その病態についてはあまりきちんと理解できていないのではないでしょうか。 とはいえ、地域の歯科医院に来院する患者さんの中に、侵襲性歯周炎の方が一定の割合で存在していることも事実です。一生懸命歯磨きをしたり、定期的に通院したりしているにもかからず、重度の歯周病と診断されたら、患者さんはどのような気持ちになるでしょうか。歯科医療者からの情報発信が足りないがために、自分が侵襲性歯周炎であることを知らずに患者さんを悩ませてしまう、などという事態は絶対に避けたいものです。歯周病を診る専門職として、現段階で明らかになっている範囲で構わないので、慢性歯周炎との違いを含め、侵襲性歯周炎について正しく理解し、患者さんに伝えることが不可欠です。 本特集では、これまでの研究の歴史と共に、侵襲性歯周炎が今どのように理解されているか、そのうえでどのように対応すべきかをご紹介します。侵襲性歯周炎に対し今まで解消されなかった皆さんのモヤモヤを、新年から一緒にスッキリさせましょう!天野敦雄Atsuo AMANO大阪大学大学院歯学研究科 口腔分子免疫制御学講座予防歯科学分野教授・歯科医師症例提供岡 賢二 岡歯科医院[大阪府]・院長・歯科医師川島真由美 岡歯科医院[大阪府]・歯科衛生士侵襲性歯周炎の病態について、今わかっているのはココまで!侵襲性歯周炎の早期発見・治療の方法って?ケースでみる 侵襲性歯周炎はDHが守れる!慢性歯周炎との違いでとらえる侵襲性歯周炎あなたの知識はどの地点にいますか? 侵襲性歯周炎研究の変遷オーバービュー日本人の侵襲性歯周炎最新情報PART1PART2PART3P.22P.29P.22P.26P.24P.3121歯科衛生士 January 2017 vol.41

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