歯科衛生士 2017年2月
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シリーズ第1弾では、「健全な口腔を守るために、患者さんができない部分は、管理を厳しくするのではなく歯科医院でカバーする」というメインテナンス方針を紹介し、メインテナンスを請け負うなら、子どもを定期的に通わせる保護者が願う「むし歯のないきれいな歯並び」への期待に応える義務があると示されました。それを受け、シリーズ第2弾では、メインテナンス患者さんの12歳時DMFTがほぼ0に近いという須貝歯科医院が、実際どのようにう蝕を防いでいるのかを教えていただきました。最終シリーズとなる第3弾では、いよいよ、不正咬合の予防について、2号にわたって迫ります!(編集部)3 須貝歯科医院のゆるメンテ*シリーズ子どもたちのメインテナ 不正咬合の芽 *ゆるメンテとは:患者さんの管理はゆるやかな分、歯科医院における精度の高いリスク管理で予防していくメインテナンス方針を指します。メインテナンスに通うのは、「歯科疾患は予防できる」のが常識だから“子どもたちのメインテナンスを  「子どもをむし歯のないきれいな歯並びにしたい」と願い、子どもたちを歯科医院に通わせているご家族が多くなりました。地域のホームドクターとして開業していると、3世代で通っているご家族は多く、ご長寿の家系では4世代でということもあります。無医村や離島などは別として、このように3世代、4世代にわたって家族単位でかかる診療科が他にあるでしょうか。整形外科に通う骨粗鬆症のおばあさんが、「自分と同じようにならないように」とお孫さんを小さいときから整形外科に連れて行くことはないでしょうし、糖尿病のおじいさんが、「こうならないように」とお孫さんを内科に連れて行くこともないでしょう。しかし、歯科では歯で苦労しているおじいさん、おばあさんをはじめ、ご家族がお子さんを小さいうちから「自分と同じにならないように」歯科医院に連れてくることはよくあります。 これは、それだけ世間ではう蝕や歯周病などの歯科疾患が予防できる疾患として常識となり、その成果を国民が歯科に求めていることを表しています。歯科はこの特長を活かして、ご家族の健康をしっかりサポートしていかなければなりません。この環境にあぐらをかいて、しっかりとした結果を出していかなければ、そのうちに「通っていてもいなくても一緒」とそっぽを向かれる可能性もあります。歯科衛生士 February 2017 vol.4124

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