歯科衛生士 2017年4月
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STEP4次に、OHIに移ります。プラークコントロールの向上のためには、その患者さんが「磨けない」のか「磨かない」のかを見極める必要があります。これが不明瞭なままでは、やみくもなOHIになってしまいます。 歯周基本治療の終了時までには、健康を維持できるだけのプラークコントロールを身につけてもらう必要があります。それをゴールとして、OHIでは、まず“磨ける”ように指導し、次に、毎日“磨く”ようにします。そして最後に、オーバーブラッシングによる害などが起こらないように是正し、正しい生活習慣として定着するように経過観察する、というのが大まかな手順です(図1)。Point3 では、あなたの患者さんの場合、どこから取り組めばよいのでしょうか? それを知るために、OHIに入る前に、診査を行いましょう。その結果によって、どのステップから始められるかを判断します。 たとえ“ブラッシング指導”で来院されたとしても、染め出して真っ赤だったとしても、いきなり磨きかたの指導をしないでください。どのような病気の治療でも、必ず診査診断があって、初めて治療に入ります。OHIにおいても同様に、診査を行い、問題点が何かを判断してから指導を開始します。問題は「磨か4ない」? 「磨け4ない」?OHIの4つのステップどのステップから取り組むべきか課題は1つずつ提示する いくつも指導しなければならない課題があったとしても、一度にたくさんの変化を求めると、患者さんに心理的な抵抗が起きます(P.31表1①)。まずは、プラークを落とす技術を習得してもらうことが大切です。たとえオーバーブラッシングなどの不適切な磨き方をしていても、ただちに大きな害を及ぼす危険性がなければ、メインテンスを含めた長い歯周治療の期間中に是正していけばよいでしょう。害の是正に限らず、ブラッシングをいつするか、ブラッシングの回数、歯ブラシの選択、歯間ブラシやフロスといった補助器具の使用など、患者さんそれぞれが“磨ける”ために必要な項目から、一つずつ改善していきます。Point3図1 OHIの手順STEP2STEP3正しい生活習慣として定着するように経過観察するブラッシングを定着させ、毎日“磨く”ようにするオーバーブラッシングによる害などが起こらないようにする“磨ける”ようにする正しいブラッシング習慣の定着知識と健康意識の向上ブラッシング方法の改善器具の選択・ブラッシング方法の習得STEP1OHISCENEプラークコントロールの診査診断歯科衛生士 April 2017 vol.4134

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