歯科衛生士 2017年9月
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ケア西村憂子Yuko NISHIMURA貴和会新大阪診療所[大阪府]歯科衛生士小谷洋平Yohei ODANI貴和会新大阪診療所[大阪府]歯科医師プロフェッショナルケアの目標はバイオフィルムの除去!インプラントは、天然歯と異なりセメント質が存在しないため、結合組織性の強固な付着がない。そのためインプラント周囲の組織抵抗性は天然歯と比べて弱いといえる。 インプラント周囲炎は、天然歯における歯周炎と同様、「感染症」です。インプラントは周囲組織の抵抗性が天然歯に劣るため、天然歯以上にバイオフィルムの除去を注意深く行う必要があると考えています。 インプラント周囲炎が発症し、骨吸収が生じてしまうと、セルフケアにもプロフェッショナルケアにも限界が生じてきます。インプラント周囲炎にどのように対応するかは当然大切ですが、それ以上にインプラント周囲炎を発症させないためにどのような予防的対応を行うかが重要です。 バイオフィルムをコントロールするためには、患者さんのセルフケアはもちろんですが、インプラント埋入時に、歯科医師が清掃・メインテナンスがしやすい環境づくりを行い、歯科衛生士が患者さんのセルフケアでは難しい部分のプロフェッショナルケアを行っていくことが肝心です。 インプラント周囲の環境は埋入部位や埋入深度、上部構造の形態などによってさまざまです。歯科医師だけでなく歯科衛生士もインプラントの環境をしっかりと理解し、周囲組織を傷めず、その環境に適したプロフェッショナルケアを行うことが必要です。そのために、筆者らは、①歯肉縁上のプラークコントロール、②インプラント周囲組織の診査、③歯肉縁下のプラークコントロールの3ステップでプロフェッショナルケアを行っています。それでは、次ページから具体的に紹介していきましょう。インプラントの場合天然歯の場合61歯科衛生士 September 2017 vol.41

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