歯科衛生士 2017年9月
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20,00040,00060,00080,000100,000120,000(件)渡部 茂 明海大学 名誉教授・歯科医師子ども虐待の状況は悪化の一途 図1は、児童相談所における児童虐待相談対応件数です。1989年に国連総会で「子どもの権利条約」が採択され、児童が父母による監護を受けている間、あらゆる形態の身体もしくは精神的な暴力からその児童を保護するための条例が初めて盛り込まれた1)ことを背景に、日本では、翌1990年から「児童虐待処理件数(対応件数)」が公表されるようになりました。 初年度(1990年度)の対応件数は1,101件でしたが、2015年度には10万件を超えるまでになりました2)。これは、2000年に「児童虐待防止法」が制定され、子どもの虐待防止にかかわる各機関の連携が促進強化された結果といえます。しかし、この対応件数は通告数であり発見数ではありません。発見されても、通告されずに見逃されているケースが多いことから、発見されない例までも含めると、図1 児童虐待相談対応件数の推移子ども虐待データで見る 日本の子ども虐待の現状(文献4より引用改変)※2015年度のみ速報値。1990年度1991年度1992年度1993年度1994年度1995年度1996年度1997年度1998年度1999年度2000年度2001年度2002年度2003年度2004年度2005年度2006年度2007年度2008年度2009年度2010年度2011年度2012年度2013年度2014年度2015年度※1,101103,260「もしかして?」―その時DHにできることIllustrator:macco、コージー・トマト歯科衛生士 September 2017 vol.4182

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