歯科衛生士 2017年10月
3/8

Illustration: 大寺 聡、飛田 敏CLINICAL特集そろそろ“ただ当てるだけ”から卒業 の知識チップ選択編福田知恵子 歯科衛生士超音波スケーラーはホントに“簡単”? 筆者は日ごろ、主に歯科医院で、歯科衛生士向けにシャープニング、SRP、ポリッシングなどの技術研修をしています。研修のご要望を伺うと、超音波スケーラーは「難しくない」「できている」という理由で、学ぶ優先順位が低く見積もられがちです。 しかし、施術した後でその評価を行ってみると、遠心に残石があったり、薄い歯石が取り切れていなかったりして、思うような結果が得られていないことが多々あり、実は、使いこなすことが難しい道具です。実際、「とりあえず、アポイント時間いっぱいに超音波スケーラーを当てている」ことが多いのではないでしょうか。 超音波スケーラーには、パワーがあり短時間でスケーリングができる、歯面・歯根面・歯肉を傷つけにくく、バイオフィルムの破壊、エンドトキシンの減少が期待でき、患者さんの負担が少ないなどのメリットがありますが、その反面、振動があるがために歯石探知がしにくい、チップやパワーの選択が適切でないと対象となる歯石をスケーリングすることが難しいというデメリットもあります。 結果につながらない原因は、超音波スケーラーの特性を理解せず、適宜パワーを切り替えていなかったり、各チップのメリット・デメリットを考慮しながら当て方をくふうしていないためではないでしょうか。 そこで今回は、超音波スケーラー用チップ専門メーカー「錦部製作所」代表取締役・錦部実敬さんにチップの特性を教えていただきながら、チップとパワーの使い分けのコツを中心に2号に渡って考えます。福田知恵子Chieko FUKUDA(有)エイチ・エムズコレクションインストラクター歯科衛生士錦部実敬Mitsuyoshi NISHIKIBE錦部製作所 代表取締役一般社団法人日本超音波スケーリング協会会長全国の歯科医院で技術研修を行うDH超音波スケーラーチップ職人歯科衛生士 October 2017 vol.4144

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る