歯科衛生士 2017年10月
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介助の必要性チェックシート診療時に高齢患者さんの介助の必要性を把握するのにお使いください。小社ウェブサイトからはPDF版もダウンロードできます。とじ込み&DL付録Illustration:キムラみのるOVER65特集こうすれば高齢患者さんは ―初歩から学ぶポジショニング&  一般的な歯科診療室は、健常者が使用する前提で設計されているため、円えん背ぱい(背中が丸くなってしまう症状)で小柄な高齢者や歩行不安定な高齢者にとって、健常者が気づかないようなささいなことが思わぬバリアになっています。たとえば、右に示したような脚折れの型のステップ付きのチェアの場合、治療が終了しチェアから立ち上がる時、両足をしっかり床に着けず、片足は床に、また片足はチェアのステップについた状態で立ち上がろうとするため、転倒やつまずきのリスクが高くなります。また、スピットンを使用する姿勢においても、チェアのポジションをオートで最初の位置まで戻してしまうと、円背の高齢者の場合、前滑りや前方転倒の危険性が生じます。 このような高齢患者さんに安心して通院していただくためには、高齢者特有の身体状況を把握すること、チェアや診療環境の課題をチェックすること、その両面からのアセスメントが必要です。 本特集では、高齢患者さんが安全に、そして快適に診療を受けられる環境づくり(ポジショニング)と介助の知識をお伝えします。舟木美砂子Misako FUNAKIアイ・ソネックス株式会社代表取締役作業療法士義肢装具士介護支援専門員介助が必要だとわかったら……まずは、介助の必要性をcheck!歯科衛生士2017年10月号とじ込み付録 ©クインテッセンス出版㈱OVER65特集60ページより﹇監修﹈舟木美砂子とじ込みDL付録本シートを切り離して、高齢患者さんの介助の必要性の把握にお使いください。小社ウェブサイトからはPDF版もダウンロードできます。使い方介助の必要性チェックシート&高齢患者さん向け介助が必要かどうか確認しましょう!高齢患者さんがいらしたら、患者名:                  記入日:      年   月    日(  )記入者:                    NO.        移動・移乗に関する身体機能YESNO①院内を移動されるとき、足元がふらついたりつまずいたりしやすいか②チェアに乗り降りするとき、何かに掴まっていないとバランスを崩しやすいか③目が見えにくいようすがみられるか(段差や障害物が判別しにくい)④耳が聞こえにくいようすがみられるか(注意や指示が聞こえない)⑤杖や歩行車、車いすなどの移動用具を使用しているか⑥治療中同じ姿勢を続けると、ゴソゴソされたり不快なようすが見られたりするか⑦水平位から背上げしたとき、身体が前方に滑ることがあるか⑧水平位から背上げしたとき、身体が横に倒れそうになることがあるか⑨スピットンに身体を近づけたり、ねじったりする動作が難しいか①~⑤にYESが1つでもあれば、移乗介助の検討が必要。⑥~⑨にYESが1つでもあれば、ポジショニングの検討が必要。①~⑦にYESが1つでもあれば、移乗介助とポジショニングの検討が必要。疾患・障害YESNO①骨粗鬆症があるか(骨折しやすい、円背、側弯症などの脊柱変形がある)②膝や股関節の変形はあるか(関節を曲げにくい、関節の痛みがある、深くしゃがめない)③脳卒中後遺症があるか(半身麻痺のため、立ちしゃがみ動作や歩行が困難)④パーキンソン病と診断されているか(手足の震えや歩行・姿勢バランスの不良、転倒しやすい)⑤認知症と診断されているか(意思疎通が困難、突発的に行動するため転倒しやすい)⑥その他移動や移乗、姿勢保持に支障のある疾患や障害があるか(両下肢や四肢の麻痺など)⑦要介護(支援)認定は受けているかpⅠ_DH10_Furoku1_CC2014.indd 12017/09/05 10:05歯科衛生士 October 2017 vol.4160

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