歯科衛生士 2017年11月
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“お口ポカン”“気になる”子どもたち、見かけませんか?が気になる今知りたい顎の一昔前までは、う蝕治療のために歯科に通院する子どもたちがほとんどでしたが、近年では、口腔衛生環境の向上と歯科医療の発展によりう蝕は激減しています。平成28年度の1人平均DMF歯数(DMFT指数)は12歳で0.2、14歳で0.6となっており1)、もはやう蝕に悩まされる時代ではなくなっています。その一方で、歯列不正や口呼吸、睡眠時無呼吸症といった、これまでにはみられなかった問題が子どもたちの間で頻発しているようです。その大元をたどってみると、顎の発育不全が関係しているかもしれません。そこで本特集では、顎の発育が不十分になりうる背景と、そのような状況を少しでも避けるために歯科でできることを考えます。(編集部)UNDER20特集矢島由紀 ゆきデンタルクリニック・歯科医師 最近、診療室で子どもたちを見ていると、以下のようなことが目につきます。このような子どもたちの口腔内によくみられる特徴として、歯列が狭くなり、歯が並ぶスペー●鼻炎や鼻閉など鼻症状がある●骨盤が後ろに傾いている●お腹を突き出している●表情に覇気がない●あごを突き出している●睡眠時無呼吸症●アレルギー疾患がある●猫背〈引用文献〉1.厚生労働省.平成28年歯科疾患実態調査結果の概要.http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-28-02.pdf(2017年8月24日アクセス)スが不十分である「歯列の狭窄」が挙げられます。これらの所見が重なるのは、次ページで示すようにつながっているからです。●口呼吸●噛まない、噛めない●低年齢時からの不正咬合●顎偏位の重症化(頭蓋変形をともなう)●歯列の狭窄の重症化●乳歯列の発育空隙の消失●過蓋咬合●ガミーフェイス歯科衛生士 November 2017 vol.4178

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