nico 5月
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STEP1STEP2STEP3STEP4STEP5歯科の口腔ケアがお役に立ちます!9 may 2014がん治療の成績が向上します!by Dr. 上野尚雄 いまやがんは、検査による早期発見、そして治療法のめざましい進歩のおかげで、治る病気になりました。ただ、一方に問題も生じています。治療方法が進歩し強くなるにつれ、副作用による合併症に悩む患者さんが増えているのです。 たとえば抗がん剤治療は、全身のがん細胞を徹底的にやっつける治療ですが、これによって健康な細胞もダメージを受けます。すると細菌やウイルスに対するからだの抵抗力が弱り、口のなかを清潔にしていないと、口のなかの細菌によってひどい口内炎が起きてしまいます。食事や睡眠がままならなくなると、体力の回復はもちろん、治療の継続が難しくなってしまうことも少なくありません。合併症はなぜ起こる? 合併症は口内炎だけにとどまりません。歯周病をそのままにして抗がん剤治療をはじめれば、急激に歯周病が悪化します。また、口の細菌が肺に入ったり、ただれた粘膜から全身にまわると、高熱の出る肺炎や敗血症など重篤な合併症を引き起こします。口のなかにいる細菌が、患者さんのがんとの闘いを邪魔し、足を引っ張ってしまうのです。こうしたことは抗がん剤治療だけでなく、手術で体力が落ちたり、頭頸部に放射線治療を行う際にも起きがちです。口に関係する合併症って? 現在、各都道府県の歯科医師会とがん専門病院が連携し、がん治療を受ける患者さんの口の痛みや悩みを軽減させ、がん治療の質を向上させる取り組みがはじまっています。二人に一人ががんになるという時代、がんになったとき、安心して歯科にかかることのできる体制を作っているのです。抗がん剤治療中にできた口内炎。

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