nico 2016年9月
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STEP1STEP2STEP3STEP4STEP5将来寝たきりにならないための歯と入れ歯のお話。7 september 2016健康寿命を延ばしたい! こうしたなか、高齢者の寝たきり予防を支える土台の部分で、歯科医療が重要な役割を果たすことがわかってきました。たとえば、栄養をバランスよく摂るには、自分の歯をできるだけ多く残し、あるいは入れ歯を使って噛めるようにすることがとても大事です。よく噛めると認知症になる割合が少なく、寝たきりの原因のひとつでもある転倒のリスクを軽減します。 「歳を取っても歯がある人は元気で長生き」という言い伝えには、科学的根拠があります。この特集では、この言い伝えを裏づけるさまざまなデータを見ていただきながら、よく噛めるお口の大切さをお伝えしていきたいと思います。 90歳を過ぎてもジョギングしたり、ゴルフを楽しむ元気印の高齢者、憧れますよね。「亡くなる寸前まで元気で、コロリと死ねたらいいなあ」なんて、自分の将来を漠然と夢見ているかたも多いのでは? ところが実際のデータを見ると、残念な現状が浮かび上がってきます。日本人の現在の「平均寿命」は、男性で約80歳、女性は87歳に迫る勢いで延びていますが、「健康寿命」はというと、男性で約71歳、女性は約74歳にとどまっているのです。 平均寿命と健康寿命の差は、男性で約9年、女性では約12年もあり(→詳細は9ページ)ます。つまり実際には、多くのかたが10年ほどの要介護期間を経て亡くなっていて、いわゆるピンピンコロリの夢がかなうかたは、ほんの一握りなのです。 加齢とともに高齢者に起きがちな変化として、「フレイル」という言葉が近ごろよく使われるようになりました。フレイルとは筋力が落ちたり、精神的な活力が落ちて虚弱になることをいいます。体重が減った、疲れやすい、歩行が遅くなった、以前は楽しみにしていた趣味をしんどく感じるようになった、などが典型的な変化です。 現在の高齢者医療では、10年ほどの要介護期間を経て亡くなっている大多数の高齢者のフレイルを早期発見し、その進行をゆるやかにして、自立した生活を営める「そこそこ元気」な期間をいかに延ばしていくかが重要なテーマになっています。「そこそこ元気」でいるために。歯科がお役に立ちます!理想はピンピンコロリ。だけど?

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