nico 2016年9月
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10NOW! 7ページで最初にお話しした高齢者のフレイル(虚弱になること)の兆候として、ご自分や周囲のかたが気づきやすいポイントがいくつかありますので、お話ししておきましょう。 いちばん目立つのが体重の減少です。運動不足や栄養不足が原因で体重が減り、目に見えてふくらはぎがやせてきます。それにつれて、疲れやすくなる、重い物を持てなくなる、歩くのが遅くなる、出かける機会が少なくなる、といった変化が起きます。 フレイルの特徴は、放っておくと悪循環になってしまうことです。筋肉が減る↓疲れやすく運動量が減る↓動かないからさらに筋肉量が減る↓動かないから食欲がわかない↓食事量が減りさらに筋肉が減る、といったように、どれがニワトリか卵か判然としないまま、それぞれが密接に関係しあって虚弱化を進行させてしまいます。 もうひとつ注目すべきなのが、体力の低下が気力の低下に結びついて悪循環がさらに拡大してしまう点です。筋肉が減って疲れやすくなる↓足が上がらず転倒しやすいと感じる↓自分に自信がなくなる↓出かけるのがおっくうになる↓社交の意欲が低下する↓出かけないからさらに体力が落ちる↓さらに気力が低下する、といった具合です。 とくに転倒への恐怖感は、日常の生活動作を行う能力がまだあるにもかかわらず、その活用を避けてしまう大きなきっかけになります。フレイルに早めに気づき、十分に歩けるうちに簡単なエクササイズで筋肉の減少を防ぐことが大事です。 運動のほかに、フレイルのリスクを減らすために現在注目されているのが「歯」の役割です。つぎのページからは、「歳を取っても歯がある人は元気」を裏づける調査結果をご紹介していきましょう。その悪循環をくい止めよう!Q自分が高齢になったとき、体力低下を防いで長生きするには何に気をつけたらよいのでしょう?A体重が1年で2~3kg減ったり、趣味の集まりがおっくうになるなどのフレイルの兆候に早めに気づくことです。体力が低下すると、気力も低下し外出が減り、さらに体力が落ちるという悪循環を生みやすいので注意が必要です。

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