nico 2017年6月
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経を取る治療の基本は、1細菌に感染した神経や膿うみをしっかりと除去すること、2神経の通っていた管のなかをよく消毒すること、3きれいにした管のなかに新たな細菌が入らないよう配慮し、ガッチリ封をすること、この3つです。 つまり、歯のなかの細菌を徹底的に減らすことを目指して行われる処置で、治療内容はたいへん細かくて専門的ですが、その目的はごくシンプルです。 この神経を取る治療は、じつは根っこの治療の再治療(→16ページ〜17ページ参照)の困難さにくらべれば難易度は低く、それは、「歯のなかに神経がある」ことにより歯が守られていたからなのです。 神経(歯髄)は、痛みのセンサーのほかに、血液やリンパ液を歯に送る役割を担っています。神経があると、細菌と戦う免疫力が働くので、細菌の活動が制限されます。そのおかげで汚染は広範囲に及ばず、掃除も殺菌もしやすくて、治療が成功しやすいというわけです。神神経を取って、空洞になった管に詰め物をしました。根っこが湾曲する難症例ですが、根の先までしっかりきれいにできました。治療終了根にも周りの骨にも炎症がなく経過良好。治療は成功です。むし歯予防を心がけつつ、今後もこの歯をいっしょに見守っていきましょう。治療後約2年経過観察中です。治療後痛みは消え、現在のところ炎症の影がなく経過良好。今後も1年に一度程度レントゲンで経過観察を続けます。治療後3ヵ月大きなむし歯ができ、神経が細菌に感染しています。このままでは抜歯に。「根っこの治療で歯を救いたい」と希望されました。初 診神経に炎症が!根の管に充填完了!大きなむし歯大きなむし歯ができ、噛むたびにズーンと痛むという患者さんです。Bravo!実際の治療経過をレントゲン画像で見てみましょう!15[特集]根っこの治療を知りたい!

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