nico 2017年6月
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 日本人の平均寿命は2015年には83・7歳で世界首位となりました。ですが、皆が健康なまま最期まで過ごせているわけではありません。 上のグラフは、5715人の高齢者の「年齢」と「自立度」の変化を20年間追跡調査したものです。すると3つのパターンが見られました。 ❶は60代後半からずっと自立度が高いままで、ある日パッタリ。いわゆるピンピンコロリで、亡くなるまで自分のことは自分でできています。❷は70代半ばから自立度が下がっていき、だんだんと要介護状態に。❸は60代後半から脳卒中などによりガクンと自立度が下がり、要介護状態のまま亡くなるまで過ごします。 ❷、❸に属する人は全体の9割。つまり、私たちの9割は要介護の状態を経て亡くなるということです。でも、どうせなら、できるだけ自分のことは自分でできる状態で長生きしたい。そのためにいま求められているのが、「フレイル」予防なんです。 人はこうして老いていく時間目19割の人が要介護に。高齢者の自立度の変化※1 交通機関の利用や電話の応対、買物、家事、洗濯、服薬や金銭の管理など。 ※2 家庭における歩行や移動、食事、更衣、入浴、排泄など。(秋山弘子(2010)「長寿時代の科学と社会の構想」、『科学』2010年1 月号、p.59-64、岩波書店より引用改変)63-6566-6869-7172-7475-7778-8081-8384-8687-89歳30男性(11,230人)女性(15,517人)21複雑な日常生活動作※1に援助が必要基本的な日常生活動作※2にも援助が必要自 立死 亡いわゆるピンピンコロリ(男性のみ10.9%)1だんだんと要介護へ(男性70.1%   女性87.9%)2一気に要介護へ(男性19.0%   女性12.1%)3あなたも私も36

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