nico 2017年10月
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――お口をポカンと開けるクセって、何歳くらいからはじまるのですか?齊藤 小さな赤ちゃんを見ると、意外にお口が閉じていますよね。くちびるがポッテリとして未発達なのに、お口を閉じて鼻呼吸している赤ちゃんが多いです。 お口ポカンのお子さんが増えてくるのは、歯が生え、お話が上手になってくる年齢くらいからです。歯が生えると物を食べたりおしゃべりが上達します。おしゃべりが上手になると、口を開ける機会が増えますよね。すると口で息をする機会も増えます。この頃からでしょうね、お口ポカンが増えてくるのは。――すると2〜3歳くらい?齊藤 一般的にはその頃からが多いんじゃないでしょうか。 私たちの調査では、これ以降12歳くらいまでお口ポカン率が増えていくことがわかっているんです。 そのなかにはもちろん、鼻炎などが原因で口呼吸をせざるを得ないお子さんも含まれますが、じつはこの頃のお口ポカンの増加は、永久歯への生え替わりの時期と関連があると考えられているんです。――それはまた、なぜでしょう?齊藤 6歳くらいから大きな永久歯が生えはじめ、その分乳歯の頃よりあごに高さがグッと加わるし、前歯も子どもの歯の前歯とくらべると前のほうへ傾いて出てきますからね。 さらに、前歯の生え替わりの時期には、舌を前に出すクセも加わることがあるので、前歯が余計に前のほうへ押し出されることがあります。お口を閉じるためのくちびるの筋力は、それをあと追いして発達しなくちゃならない。しかし追い付かないと、くちびるを閉じるのがしんどい。するとついお口がポカンと開いてしまうんです。ポカンと開けば、口呼吸のほうが楽になりお口ポカンが定着してしまう。お口ポカンのお子さんが100%口呼吸というわけではないですが、口呼吸をしているケースは非常に多いです。――お口ポカンには、お口の成長過程が関わっていると。齊藤 そうなんです。歯が生え替わって噛み合わせが落ち着いてくる中学生くらいになると、ポカン率はグッと減ってきます。からだの成長・発育も口呼吸を減らす理由として考えられますが、素敵な異性の前で格好よく見せたい、キリッとした口もとでいたいという社会性も芽生えるのでしょうね。お話が上手になる頃からお口ポカ〜ンが増えてくるお口ポカンがはじまる原因ってどんなこと?なぜお口ポカンになるの?鼻が詰まっている!アレルギー性鼻炎などが原因で鼻が詰まったり、扁桃肥大のあるお子さんに「お口を閉じなさい」と命ずるのはあまりにも酷です。まずは耳鼻咽喉科で治療を受けましょう。その1くちびるなどの筋力不足大きな永久歯が生えてきて、噛み合わせが変化する頃は、くちびるや舌など周りの筋肉の発達が追い付かずアンバランスになってしまうことがあります。その2WHY?鼻が詰まっている場合はまずは耳鼻咽喉科へ!36

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