HAインプラント
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インプラント長期予後抜歯後即時インプラント埋入サイナスフロアエレベーションHAメンブレンテクニック補綴のための周囲硬・軟組織532章1 抜歯窩残存骨壁とHAインプラントの埋入ポジション表2‐1‐2 術前のHDW、HDD、VDHの平均値 抜歯後即時埋入における抜歯窩の骨欠損形態に関する文献の代表として挙げられるのは、Chen STら(2005年)17)のものである。表2‐1‐2に術前の骨欠損の値を示す。 HDWではばらつきがなく、約5mmであることがわかる。埋入したインプラントの径についての記述がないため、正確に述べることは難しいが、4壁性骨欠損であれば近遠心方向のジャンピングディスタンスが2mm以内であることが確実で、100%に近い値での減少が期待できる。しかし、この報告では群間にHDWの減少に34.1~71.2%とばらつきが認められる(図2‐1‐4)。その理由として、裂開症例が30%(61部位中19部位)含まれること、また4壁性骨欠損症例でもHDDが平均2mm以上であることでギャップがすべて骨で満たされない可能性があり、その三次元的な骨形態を考えるとHDWの値にも影響すると考えるのが妥当であろう。さらに、裂開症例にメンブレンを使用したHDWの減少率が52.5%と低い値を示す理由として、①グループ1、2はメンブレンのみの使用でスペースメイキングが不十分である。②グループ3は自家骨を骨補填材料として使用したため多少減少率は上がっているが、自家骨は吸収速度が速く、やはりスペースメイキングが十分とは言えないことも結果を左右していると考えられる。この論文から、HDWの減少率は裂開症例においては低下することがわかる。つまり、裂開症例の抜歯後即時埋入においてHDWが大きいとその予知性が低いと結論づけられる。また、この報告からVDH、HDDはメンブレンおよび骨補填材料の有無に関係なく減少させるのが可能であることが示唆された。100806040200067.3Horizontal defectwidth(HDW)260.6371.24540.834.1図2‐1‐4 各群別HDWの減少率。 筆者の視点Group Treatment NInitialVDH(mm)InitialHDD(mm)InitialHDW(mm)1e-PTFE membrane only128.4±0.52.6±0.25.0±0.52Resorbable membrane only117.5±0.72.5±0.35.3±0.43Resorbable membrane+bone139.1±0.72.1±0.25.3±0.24Bone graft only 149.9±0.52.2±0.25.3±0.35Control 129.7±0.62.0±0.35.0±0.3e-PTFE, expanded polytetrafluoroethylene.

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