HAインプラント
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インプラント長期予後抜歯後即時インプラント埋入サイナスフロアエレベーションHAメンブレンテクニック補綴のための周囲硬・軟組織1124章 HAメンブレンテクニック知識の補足HAメンブレンテクニックの臨床ステップ1 骨伝導能(Osteoconduction)を考慮したHAメンブレンテクニック この本でたびたび出てくるキーワードの骨伝導能とは、新生骨が骨添加するために必要な物理的な足場を提供することである。基本的に、周囲に骨原生細胞が存在することでその効果を発揮するため、軟組織に移植してもその移植材料自身が骨形成することはない。 一方、骨誘導能(osteoinduction)とは骨がない部位における骨形成の誘導であり、筋肉などの軟組織に移植しても骨形成する能力がある。 HAメンブレンテクニックは、HAインプラントと骨造成部位外側を覆うHA顆粒の骨伝導能を利用して効率的に骨形成を期待するテクニックである。通常GBRでは、未分化で増殖能が高い線維芽細胞を遮断して骨芽細胞による骨形成を促進することをコンセプトとしている。この章で紹介したHAメンブレンテクニックは、HA顆粒と骨補填材料によって形成される、いわゆる骨伝導能の‘場’と線維芽細胞との戦いとなる。つまり、HA顆粒が長期残留することにより、その骨伝導能の場が線維芽細胞の増殖より勝り、骨様組織が骨原生細胞の増殖によって形成されると考えている。HAメンブレンの製作方法(図4‐1‐4a~f)図4‐1‐4a 滅菌したアルミホイルを口腔内でトリミングし、コラーゲンスポンジ(コラコート:株式会社白鵬)もそれに合わせてトリミングする。図4‐1‐4b 水溶性基材(ソルベース:大日本製薬株式会社)をコラーゲンスポンジの粗造面にバターを塗るように均一に練り込んでいく。図4‐1‐4c 水溶性基材を練りこんだ表面にHA顆粒(カルシタイト:株式会社白鵬)を可及的均一にまぶす。図4‐1‐4d HA顆粒をまぶした上に水溶性基材を再度練り込む。図4‐1‐4e 再度HA顆粒をまぶして軽く上から均一に練り込むことで、はがれることを防止しつつ操作性を向上させる。図4‐1‐4f 完成したHAメンブレンにPRPを浸透させる。現在PRPはHAメンブレンを口腔内に設置後に使用している。

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