コンポジットレジン修復
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30Class ⅢⅢ級窩洞への応用の位置づけ う蝕の発症部位として3大不潔域があげられるが、歯間隣接面もそのひとつである。前歯部隣接面で切縁隅角を含まない窩洞では、舌側に歯質の裏打ちがあるかどうかが修復操作時間の長さに影響を及ぼす。 歯質の裏打ちがある症例では、窩洞周囲の色調を反映するようなレジンペースト(エナメルシェードなど)を単層で用いることで、良好な色調適合性を得ることができる。いわゆるカメレオン効果によるものである。 一方、歯質の裏打ちを欠く窩洞では、コンポジットレジンが半透明性であるという性質を有しているところから、審美性に富んだ修復を行うためには何らかの作戦を練る必要がある。つまり舌側に光線透過性の低いレジンペーストを填塞することで、修復物全体の明度をコントロールすることが必要となる。これを怠りエナメルシェードのレジンのみを単層で充填すると、修復物全体の明度が低下してグレーがかって見えてしまう。このような症例では、明度をコントロールするために用いるオペーク性の高いレジンペースト層の厚さが問題になるが、これは残存歯質の明度を参考とする。 コンポジットレジン修復では、色調の適合性を得るために、色相あるいは彩度以上に明度を重要視すべきである。臨床的に色調の決定は、明度、彩度そして色相の順で行うとよい。1.歯質の裏打ちのある症例での窩洞形成2.審美的な隣接面の形態をいかに賦与するか3.隣接する窩洞修復のコンセプト4.歯質の裏打ちのない症例での窩洞形成と修復5.歯質の裏打ちのない大きな窩洞の効率的な修復Class Ⅲのポイント

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