態癖ー力のコントロールー
1/8

241.態癖の再発見2)態癖に関する文献的考察図2A-11924年に来院した患者は,診察の際に「枕癖によって口と顔に損傷を与えたと思う」と自ら明言した.右向きと左向きの時では癖はそれぞれ違うようで,右側(C)では拳が�の下敷きになっているが,左側(A)では�の下に敷かれた腕が上顎の歯に負荷をかけている.両側に遠心咬合が見られるが,左側により強く現れている.これは右向きに寝るときの癖が作用していて,おそらく左側の下顎角が鋭角になることによって下顎左側が狭窄するような負荷のかけ方をしているためと考えられる.図2A-2これは1924年の初めの症例である.この患者が診察に来たときには,人差し指の中手骨の変形(D)からある癖の持ち主であると診断するに十分だった.彼女の姿勢,不正咬合,手の形から判断して,A,Cのような癖があるに違いないと考えた.偶然だったかもしれないが,予想は的中した.この手と腕の組み合わせで,この子供は上顎の前歯そしておそらくは上顎骨全体を後方に押し込んでしまったのである.矯正治療期間中,�に傷が見られたので睡眠時にハーネスを使用し,この癖の再発防止に努めた.しかし装着期間中に彼女はハーネスを自分で外したために,細いワイヤー(0.030”)の痕が�に現れていた.ABCDEFABCDEF

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です