別冊インプラントYEAR BOOK2011現代インプラントの10年とは?
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185NobelActiveTMインプラント近年のインプラント治療では,さまざまな基礎的・臨床的データの蓄積により,以前には予想できなかった審美性の回復や即時の機能回復などが可能になってきた.本稿で紹介するNobelActiveTMは,最近の論文で非常に多く取り上げられているインプラント周囲骨の吸収を減少させるプラットフォームシフティングとImmediate functionを計画する際には必須となる初期固定をより良好にするために,従来のインプラントとは多くの点で異なる形態的特長を有するインプラントシステムである.治療計画立案のための生物学的背景審美的に重要な唇側歯肉と歯間乳頭の形態・高さは,歯肉の厚みとインプラント特有の生物学的幅径成立後の骨レベル1,2)に決定される.単独歯欠損のはじめに歯間乳頭の高さは,隣接する天然歯の骨頂レベルによって再生距離が決定される3).Tarnow Dらは,Conventional タイプ(以下C.V)のインプラント間の水平距離が3mm未満の場合には,平均1.04mmの歯槽骨頂の水平吸収が生じること4)を明らかにした(図1).さらに,3mm以上の場合でも骨頂から歯間乳頭頂までが平均して3.4mmであったと報告している5).一方,インプラント/アバットメント連結部のマイクロギャップを内側に移動したプラットフォームシフティングシステム(以下P.S)では,従来型に比べてインプラント周囲骨の喪失が減少することが報告されている(図2).Luongo Rら6)は,アバットメント連結部全周の限局した0.35mmに炎症性細胞の浸潤がゆえに,インプラント周囲の骨吸収が減少することを報告している.Cappiello Mら7)は,連結部における垂直的骨吸収が従来型平均1.67mmに対して平均0.96mmで周囲骨の喪失が減少することを報告した.さらに,Rodriguez-Ciurana Xら8)は,インプラント間が3mm以下でも垂直吸収が平均0.62mm, 水平吸収が平均0.60mmで歯槽NobelActiveTMインプラントの臨床応用小濱忠一(Obama, Tadakazu)(福島県いわき市開業:小濱歯科医院)1981年 日本大学松戸歯学部卒業1981年 日本大学歯学部歯内療法学教室入局1984年 原宿デンタルオフィス勤務1986年 小濱歯科医院開業2006年 日本大学客員教授所属・役職:日本補綴歯科学会会員,日本歯周病学会会員,米国歯周病学会会員,SJCDインターナショナル理事,東京・北海道・東北SJCD顧問,東京SJCDコースインストラクター,Nobel Biocareジャパンインストラクター インプラント並列症例にNobelActiveTMを応用

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