歯周治療 失敗回避のためのポイント33
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97歯周治療前処置2~咬合,暫間固定,う蝕治療,矯正治療と悪習癖の改善~第2部 歯周基本治療編Ⅱ 暫間固定,治療用義歯外傷性咬合の改善により歯周組織の安静を図り,組織の修復を容易にし,プラークコントロールしやすい環境を構築します.前歯部ではスーパーボンドなどの接着性レジンを用いたダイレクトボンディング法で,大臼歯部では,咬合面に溝を形成しワイヤーとレジンで固定します(A−Splint・図2‒6‒2).隣接面にプラークが残存していたり,初期のう蝕でエナメル質が脱灰している状態でエナメルエッチングを行っても,適切な接着力は得られません.スーパーボンドを使用する際には,エナメルエッチングを行う前に,メタルストリップスで新鮮なエナメル質を露出させると,脱灰したエナメル質にレジンタグが入り込み接着力が向上します(図2‒6‒3).アイヒナーの分類でB−2,3,4および Cの場合には,治療用義歯やプロビジョナルレストレーションで一時的に臼歯部の咬合を確保して,残存歯への咬合負担を軽減します.Ⅲ う蝕治療う蝕は大きなバイオフィルムの塊と言えるで図2‒6‒3a 隣接面のコンタクト部をメタルストリップスで研磨し,新鮮なエナメル質を露出させる(GC社).図2‒6‒3b 隣接面はプラークコントロールしにくく,歯周病患者でも脱灰していることが多いためエッチングのみでは十分な接着力が得られない.図2‒6‒2 A─Splint.●ダイレクトボンディング法による暫間固定

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