患者さんが集まる70の秘訣
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66Chapter日常診療4427生命医療と生活医療 そもそも歯科医療とは何であるのか、考えたことはおありでしょうか。 一般の医療と比べてどうなのでしょうか。 歯の治療が大事なのはわかるけれど、一般医療と比べて大事さ加減・・・・・が違うのではないでしょうか。つまり軽くみられている! しかし、そう比較すること自体があまり意味がないんですね。でしたら皮膚科や耳鼻咽喉科や眼科は、内科や外科、いわんや心臓外科や脳外科に比べてどうなのでしょうか。それぞれがみな重要な科目なんです。 ただ歯科と一般外医科は、免許制度が違うように、本質が少し違うのです。一般医科は“生命医療”なんですね。一方、歯科医療というのは“生活医療”なのです。 一つのからだのなかで扱う部位が違うだけなんだけれど、そして歯科においても時に生命に関わる事態がないわけではないけれど、通常の作業は直接生命に直結することをしているわけではありません。“痛み”ということ、“噛む”ということ、“発音する”ということ、そして“みばえ”つまり“審美的な歯並び”ということに関して、主として仕事をしているわけですね。 そしてそれぞれが、もしその治療がうまくいかない場合には、生命はともかく、日常の生活にとって大なり小なり支障をきたすことになります。いうならば“QOL”、“生活の質”ということでは、なくてはならない医療の分野なのです。 口腔のもろもろの機能の問題に関しては、歯科が特化していて、一般医科ではまず手に負えません。歯科が唯一専門になるわけです。 “生活のための医療”ということは、いまこそよく考えてみる必要があるようです。 そもそも医療の歴史を眺めてみると、医療の歴史のなかではずっと“内科学”が中心であったのです。“外科学”というのは近世の産物です。“歯科学”というのは、もっと遅れて、たかだか100年ちょっとでしょう。 これは何を意味しているのでしょうか。 文化文明の進歩が医療の進展に大きく寄与していることを意味しているわ

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