患者さんが集まる70の秘訣
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80Chapter先輩が教える臨床のツボ5533動機づけ これはもう習慣といってもいいのですが、毎日のように近くの書店にでかけます。何か面白そうな本はないかな、ということでいくわけです。CD屋もそうですし、デパートやブティックも結構でかけます。たまには目的の本やCDや服や靴を探しにでかけますが、大抵は何となくでかけて、そこで見かけたもののなかでとくに気に入ったものを手に入れます。 人間というのは案外そういうもので、こういうのが欲しいなということはもちろんありますが、大抵は店内の目の前に並んでいるものや雑誌やテレビ広告などのなかから、自分の欲望に火をつけたものをやや衝動的に買います。つまり何らかの強い動機づけがそこにあって、急に欲しくなるわけです。 売れる商品というのは、消費者の既存の欲望を反映して作るのではなくて、欲しいという声以前に、人の欲望を先取り・・・・・・して消費心理をかきたてるような魅力ある商品を作った結果なんですね。 かつてソニーがウォークマンで成功したのも、アップルが“i”のシリーズ製品で世界を席巻しているのも、人間の欲望を新しく巧みに刺激したからですね。おそらく流行というものの本質はみなそういうものでしょう。つまり動機づけというものが必要で、既存のものにはない新しい夢がそこに広がるのを期待するのが人間というものなのです。 わたしたちの仕事でも同じです。患者さんがいままで経験したことのない安心や魅力をスタッフやシステムに感じてくれたら、それも治療を継続する強い動機づけになるでしょうし、リピーターにもなってくれます。さらにはいままで経験のない治療の仕方をその医院でやってもらえたら、患者さんにとってはサプライズであり、一挙に信頼は倍増するわけですね。 ただ考えてみると、歯科医の側からみれば案外サプライズというものは、あちこち手の届くところに転がっているものなんですね。時間がないとか、それに気がつかなかったとか、そこまで手が回らなかった、というものが多いのです。 たとえばの強度のう蝕で、しかも6を抜歯しなくてはならない場合、をただ抜歯して投薬して帰しては普通なんですね。痛くなかったと喜ぶぐ

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