別冊 マイクロデンティストリー YEARBOOK 2011
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58エッチング処理 (図5,6) エナメル質に対する接着は,Buonocore1が1995年に提唱したリン酸エッチング法により始まり,長い歴史がある.正中離開症例は接着面がすべてエナメル質であるため,安定した接着が期待できる.ボンディング処理 (図7a~c) 現在日本で用いられているボンディング剤は,主にセルフエッチングタイプのものである.筆者はエステティックゾーンに関しては,ワンステップタイプを使用している.それは,長期的に見ると脆弱化する可能性が高いボンディング層の厚みをできるだけ薄くしたいからである.近年のワンステップタイプのボンディング剤はマルチステップタイプとほぼ同程度の接着力を有している2.一方でテクニックセンシティブのものや,エナメル質の接着力がむしろ減少しているものもあるので,メーカー指示を遵守し処理を行う.図7a ボンディング剤を塗布.図7b エアーブローを行ってボンディング剤を観察.液だまりがないよう注意する.図7c ボンディング剤が薄くなっていることを確認.図5 片側をテープでガードし,エッチングから行う.図6 エッチング処理面.白濁しているのがわかる.図5図6図8 1歯の修復後,反対側の修復を行う.図9 シリコンガイドを利用し,リンガルシェルフを作っていく.図8図9図10 表面は筆を用いて形態を整える.図11 隣接面はコンタクトウェッジで歯間を広げると研磨しやすい.図10図11

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