今、問われる患者目線のインプラントとは?
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177NobelProceraTM scanner Genion &NobelProceraTM software 近年の歯科情勢において,インプラント治療の普及にともない,望ましいことばかりでなく,落胆的な問題も起こっている.配慮に欠ける治療によって招くインプラント体の脱落もさることながら,最終的な上部構造の形態に関してもコミュニケート不足による「患者の受け入れがたい」結果に至るなどの問題も少なくない. 昨今における患者のインプラント治療への期待度は大変高く,つねに患者からは外科的・補綴的においても十分満足する達成度を求められる.仮に,その患者の口腔内環境上,施術者としてはやむを得ない状況であったとしても,患者はその妥協的な上部構造をなかなか受け入れてくれない.施術者はつねに患者の要望を理解しておく必要があり,それが困難な場合には十分な説明を施すべきである.そこで相互理解を深めるための方法の1つとして,理想的なインプラント上部構造の概念を患者と共有しておくことができれば,相互理解も促進されることが考はじめにえられる.理想的な上部構造として備えるべく必要な要素「機能性・適合性・強靭性・清掃性・生体親和性・審美性」を提示し,1つを優先するがために他を大きく欠いてしまうようなことがないよう,どの症例においてもそれぞれがバランス良く高いレベルを保つことが大切であることを説明する. 目覚ましく進歩するインプラント治療と同じ歩調で,歯科技工技術も進歩しなければならない.特に無歯顎のような症例では修復物も大型となり,補綴を担う術者には適合性や強靭性に対しての不安が絶えず付きまとう.無歯顎症例のための大型修復物を製作するには,従来法によるアナログ的な技工技術では限界を感じさせられることもあった.そのようななか,CAD/CAM技術の出現はそのような不安を解消し,インプラントの技工技術を革新した.その優位性は,フレームの製作において「デジ無歯顎症例にデジタルソリューションを応用した補綴設計十河厚志(Sogo, Atsushi)(デンテックインターナショナル㈱代表取締役社長)1985年 大阪歯科学院専門学校卒業後,CDT資格修得1989年 渡米 DenTech International,Inc. 入社1989年 UCLA Medical Center,USC歯学部Associate Faculty にてImplant補綴学を習得1992年 帰国後,デンテックインターナショナル㈱を設立し社長に就任2001年 日本歯科技工士会生涯研修認定講師2009年 大阪大学招聘教員2013年 デンテックインターナショナル㈱代表取締役に就任無歯顎症例にデジタルソリューションを応用した補綴設計

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