そのままつかえる照会状の書き方
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105肺結核そのままつかえる照会状の書き方❽抜歯・インプラント・歯科小手術・歯周外科など観血的手術に対応 結核菌は患者のせき、くしゃみから飛沫感染するため、排菌患者の歯科治療は応急処置にとどめる。感染予防のためクリーンルームまたは個室で行い、眼鏡やゴーグルによる目の保護、安全マスク(N95微粒子用マスク)、手袋、予防衣を着用する。なお、感染の危険性がない非菌患者では一般患者と同じ扱いとする。抗菌薬やNSAIDsの制限はないが、抗結核薬のイソニアジド、リファンピシンの副作用による肝障害を認める場合は、肝酵素の変動に留意しながら使用する。内科医からのコメント内科医からのコメント手術時の注意事項手術時の注意事項た、患者は術中呼吸機能の低下が予測されるため酸素吸入を準備し、せき、たん、息切れなどによる呼吸には留意する。❸肺結核は空気感染によるため、必ず防御用のゴーグルやマスクをして予防対策をし、歯科診療における感染リスクには十分留意する。❶多くの場合、免疫機能の低下がみられ低栄養状態なども考えられるため、できるだけ短時間で低侵襲の処置を行う。またストレスを加えず安静下での抜歯手術が望ましい。❷術後は、免疫機能の低下による易感染性であるため、抗菌薬による感染予防が必要である。まがむしろ安全とされている。❸処置はできれば一般患者から離し、個室が望ましい。❹結核菌に対して塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジンは無効で、有効な消毒剤にはポビドンヨード、消毒用エタノール、クレゾール石鹸などがある。❶発熱が長期にわたることがあり、その場合結核の悪化によることがある。抜歯は、熱が下がってから施行する。❷複数の抗結核薬を併用しているため副作用が生じやすい。肝機能が低下することがあるので、術後の投薬には注意が必要でテトラサイクリン系やマクロライド系の抗菌薬は避ける。消炎鎮痛薬はアセトアミノフェンよりNSAIDsの方手術の問題点手術の問題点図1 肺結核の胸部エックス線写真(国際医療福祉大学三田病院林和先生提供)。図2 結核性潰瘍(頬粘膜)。

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