困っていませんか?こんな患者さんとのトラブル&ハプニング
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8CASE 1 自費治療を勧めたところ暴言が!ポイント3.心理学的観点からどう対応できる?1.暴言の背景を探る 患者さんの暴言はなぜ生じたのでしょうか? このケースでの歯科医師の対応からは、患者さんが怒る原因は見当たりません。単に患者さんの持つ易怒的なパーソナリティーが影響しているだけなのでしょうか? もしそうであれば、今後の患者さんの言動から術者の精神的負担も大きなものとなってのしかかってくることが予測されます。治療に関する不具合や不満を訴えてきたり、感情の起伏も激しく、要求や訴えも日によって変わるなどの行動も予測できますので、歯科医院側のストレスは計り知れないものとなります(これに関しては後述します)。 一方、患者さんのパーソナリティーに何ら問題がみられなかった場合は、患者さん独自の理由が存在していることが考えられます。たとえば過去における歯科治療からくる不信感がその理由の1つになっているかもしれません。非常に不快な歯科治療の経験から、当時の歯科医師への不信感が強く、それが今もなお残り、主治医が当時の歯科医師から代わっているにもかかわらず、過去に体験した不快な感情が今の歯科医師に向けられてしまう―こうした現象は珍しいことではありません。これは過去における人物(歯科医師)が、今の歯科医師に置き換えられ、そのときと同様の感情が向けられるという心理です。1.暴言の背景を探る 患者さんの乱暴な言動はどこから来るのでしょうか。単に患者さんのパーソナリティーに起因するものなのでしょうか? あるいは過去の歯科治療体験から来る不信感からなのでしょうか? それとも周りの人から聞いた何らかの誤った情報からなのでしょうか? 他にも理由があるのかもしれません。まずは患者さんの暴言の背景を探ることが先決です。2.治療への意思確認を記録する 治療にあたってトラブルが予測される患者さんに対しては、慎重な対応が不可欠です。治療への意思確認を明確にし、記録を残します。3.事態を招かないためのリスクマネジメントを導入する 暴言を吐く患者さんによる起こり得るトラブルを予測したとき、そのリスクを回避するためにはあらかじめ患者さんの行動傾向を見極めることが重要です。ここではその方法と対応について習得します。CASE 1

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