困っていませんか?こんな患者さんとのトラブル&ハプニング
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532.あなたならこのケースをどう考える? 地域密着型の歯科医院であると、このようなケースは悩むところで難しい。特に長年、家族ともども通院してくれている患者さんであれば、正直、請求しにくいものである。今後のことを考えると、一応、「○年○月頃までに」と患者さんにとって無理のない支払い期間を延長して設定し、覚書に残したうえで支払っていただくよう促しておく。それ以上に取り立てを行うというのは、正直、反対である。なぜなら仮に厳しく取り立て行為を行ったとして、その結果、はたして払ってもらえるのかわからないからだ。取り立てるためのエネルギーのほうがはるかに大きいだろう。下手をすると地元で悪い評判がたってしまうかもしれない。このケースのベストの選択肢は、『あきらめる』である。 治療を終えた患者さんには、治療費の支払いの義務がある。こちらとしても歯科医院を経営していかなくてはならず、ボランティアをしているわけではないので、そこはしっかりとした姿勢をとるべきであると思う。未成年の場合は支払いを親が行うように、患者さん自身が親族に相談することはできないのだろうか。患者さん本人は事情があり支払えないとしても、夫に支払いを相談できないか、あるいは子どもに支払いを相談できないか、しっかりと患者さんに尋ね、確認すべきだろう。 また、定期的に収入のある職業についているのであれば、分割払いでの返済は可能であるはずだ。支払いの方法を一緒に考えることが望まれる。 常識的に考えても、治療したそのものには費用が発生するものである。 患者さんには患者さんの理由はあるかもしれないが、インプラント治療を選択した患者さんにも責任はある。いかなる方法でも、たとえ時間がかかったとしても、最後までしっかりと支払いをしていただくよう請求したほうがよい。こちらとしてはきちんと治療行為を行ったのだから、正当な権利行使のはずである。厳しく取り立てるべきだ。 こういった不払いが出てしまうと、対応に手間がかかり、まったくもって困ってしまう。患者さんと面談し、まずはそのことを患者さんにきちんと理解してもらう必要がある。また、面談では厳しい態度を貫くことが必要だ。こういったときに、不払いに理解のある態度をとると甘くみられてしまう。だいたい、患者さんも生活はできているのだろうから、本気で支払おうと思えば支払うことは可能なのではないか。CASE 5インプラント治療後に治療費を支払えなくなったと言い出す患者さんDr.Bの意見Dr.Cの意見Dr.Aの意見ベストの選択肢は「あきらめる」である親族に支払ってもらう、分割払いにする、など支払いの方法を考える時間がかかっても厳しく取り立てるべきだ

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